中学受験に向けて準備をすすめている保護者のみなさんは、「繰り上げ合格」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。繰り上げ合格は、不合格判定を受けたあと、学校の都合で出される追加合格のことです。
本記事では、繰り上げ合格の可能性と繰り上げ合格になった場合の対処方法についてご説明します。
この記事のもくじ - 項目をクリックで該当箇所へ
繰り上げ合格とはなにか
繰り上げ合格とは、合格発表の際に不合格だったものが、のちに合格とされることです。
「補欠合格」「追加合格」と呼ばれることもあります。合格発表時に「補欠合格者」として発表されるものは、「あとから追加で合格の連絡が来るかもしれないもの」であり、正式な繰り上げ合格とは意味が異なりますので注意が必要です。
入学者数を補填するための合格
繰り上げ合格は、入学辞退者を補填するための合格判定です。
中学受験において、ほとんどの学校が募集定員を上回る合格者をだしています。これは、中学受験者が複数の学校を受験することを想定しているためです。第一志望、第二志望、滑り止めなど、いくつかの学校を受験し、複数合格判定を受けた受験生は、いずれかの学校を選ぶことになります。
学校側は入学辞退者の数を予想して合格者の数を決定しますが、予想を上回る辞退者が出た場合に、繰り上げ合格が発生するのです。
繰り上げ合格は出る年も出ない年もある
繰り上げ合格は、毎年出るとは限りません。各学校の合格辞退者が予測の範囲で収まった場合は、繰り上げ合格は出ないことになります。繰り上げ合格が出るかどうかは予測することは困難です。基本的には、ストレートに合格を目指すしかありません。
ただ、併願希望が多い学校は入学辞退者の予測が難しいため、繰り上げ合格のチャンスがあるかもしれません。気になる場合は塾の先生に相談してみましょう。
合わせて読みたい
繰り上げ合格の可能性
繰り上げ合格は、受験者のなかで点数の高い順に繰り上がるのが基本です。同じ点数の場合は、面接点が高い順、特定の教科の点数が高い順など、学校によって異なる基準があります。あらかじめ基準を公開している学校もあるので、チェックしてみてください。
最後のがんばりで力を入れるべき科目が定まります。
人気校でも可能性がある
いわゆる御三家と呼ばれる学校でも、繰り上げ合格の可能性があります。
たとえば、東京の私立男子校御三家である開成、麻布、武蔵の受験日は2月1日です。併願する場合は、2月2日以降を試験日とした学校を受験することになります。御三家はたいへん人気のある学校で、すべて私立中学校です。
対して、2月3日に試験がおこなわれる人気校、筑駒(筑波大学付属駒場中学校)は国立の中高一貫校。御三家と併願して合格した場合は、筑駒の入学を希望する生徒も一定数います。
このように人気校でも合格者が流れる可能性があり、繰り上げ合格の可能性はゼロではありません。子どもが受験する学校以外の受験者動向も把握しておくとよいでしょう。
ただし、繰り上げ合格の数は非常に少なく、可能性が低いことを認識しておく必要があります。
繰り上げ合格は電話通知が多い
繰り上げ合格の連絡は、入学手続き締切後におこなわれます。学校が実際に入学手続きをした人数を把握し、調整をおこなうためです。
不合格だった場合も、入学手続き締切後の数日間は繰り上げ合格の可能性があることを覚えておきましょう。
人気校で繰り上げ合格が出た場合、連鎖的に繰り上げ合格が発生する場合もあります。そのため、2月いっぱいは各校で繰り上げ合格が出ることも珍しくありません。
また繰り上げ合格のお知らせは、電話通知が一般的です。保護者の連絡先は、日中に連絡がつきやすいものにしておくことをおすすめします。
合わせて読みたい
<!--nextpage-->
繰り上げ合格に備える
繰り上げ合格のチャンスは少ないとはいえ、可能性がある限り、備えておく必要があります。努力の日々を無駄にしないためにも、子どもを支える保護者として心構えをしておきましょう。
ミスを減らし点数をあげる
繰り上げ合格になるかどうかは、合格ライン上ギリギリの競争になります。ミスを少しでも減らし点数をあげることは必須です。
本番まで1点、2点を確実に得点する努力を重ねてきている子どもたちに、もう1歩の努力を求めることは酷かもしれません。しかし、最後まであきらめない気持ちと集中力を保つことは、その後の人生においても役立ちます。最後までがんばるよう、励ましてあげてください。
繰り上げ合格時の対処を決めておく
もし繰り上げ合格の連絡が入ったらどうするべきか、事前に対処を決めておく必要があります。
繰り上げ合格ということは、入学時のスタートが一番下から、ということになります。「それでもがんばりたい」という子もいれば、「余裕を持って合格した併願校に入学したい」という子もいます。最後の詰めであわてることのないよう、親子でしっかり話し合っておきましょう。
おわりに
中学受験の繰り上げ合格は、数は少ないもののどんな学校でも可能性があるものです。
年度によって傾向は多少変化しますが、過去の実績を把握し、事前準備をしておくことが必要です。保護者ができることは、情報を収集し、あらゆるケースを想定して環境を整えてあげることしかありません。
繰り上げ合格の通知日によっては、入学金などの費用が無駄になるケースもあり得ます。しかし、希望校に進学できる喜びにまさることはないはずです。ぜひ親子で協力しあい中学受験を最後まで応援してあげてください。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。