ゲームが子どもに与える影響については、さまざまな事が言われてきました。子どもがゲームをすることには良い面もありますが、悪い面の方が多いという意見がある中で、香川県が打ち出したのが「ゲーム規制条例」です。ゲーム規制条例を巡っては、肯定的な意見も否定的な意見もどちらもありますが、親としては、その内容がどのようなものか気になるところです。そこでここでは、香川県が打ち出した「ゲーム規制条例」について詳しく見ていきましょう。
香川県の「ゲーム規制条例」とはどんな条例?
ゲーム規制条例の内容を正しく理解するためには、なぜ、ゲーム規制条例を制定したのかを知っておく必要があります。ここでは、まずゲーム規制条例ができた社会的背景を確認してから、その内容について詳しく見ていきましょう。
ゲーム規制条例ができた社会的背景
以前からインターネットやゲームの過剰な利用は、子どもに学力や体力の低下、ゲームへの依存などさまざまな悪影響を与えるといわれてきました。そうした認識が世間一般に広がるなか、ゲーム規制条例の制定に大きな影響を与えたのが、WHO(世界保健機関)による「ゲーム障害(依存)」の疾病認定です。
2019年6月、WHOがゲーム依存を正式に疾病と認定したため、小さな子どもを持つ親などを中心に社会的な不安が広がりました。そこでゲーム依存に、他の依存症と同様な法整備の検討や医療提供体制の充実などが求められ、ゲーム規制条例の制定に至ったのです。
香川県のゲーム規制条例の内容とは
ゲーム規制条例は、正式名称を「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」といい、県民をネット・ゲーム依存症から守るための対策を推進することを目的に制定されています。具体的には18歳未満のゲームの利用を平日1日1時間、休日1日90分までに制限するとするものです。
ゲーム規制条例には、罰則規定はありません。自治体や保護者、ゲーム事業者などの責務や役割が制定されている、いわば努力目標のようなものになっています。ただし自治体や学校、保護者の連携などについても触れられているため、今後何らかの施策が行われる可能性があるでしょう。
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香川県のゲーム規制条例が子どもに与えるメリット
香川県でゲーム規制条例が制定されたのには、WHOがゲーム依存を正式に疾病と認定したという社会的背景があるとともに、条例が子どもに多くのメリットを与えると考えられているからです。ゲーム規制条例が子どもに与える代表的なメリットには、つぎのようなものがあります。
ゲーム依存症を未然に防ぐことができる
ゲーム規制条例が子どもに与えるメリットは、この条例の最大の目的でもあるゲーム依存症を未然に防ぐことができるということです。
ゲームにはさまざまな楽しみがありますが、その最大のものがクリアすることでしょう。クリアするためには、長時間ゲームを行う必要があります。またオンラインゲームではクリアがなく、際限なくゲームを続けることができます。
子どもは大人よりも脳の働きが弱く、ゲーム依存に陥りやすくなってしまう可能性があるでしょう。そのためゲーム規制条例では、ゲームの時間に規制を設けているため、ゲーム依存症を未然に防ぐことが期待できます。
視力や運動能力の低下を防ぐことができる
子どもがゲーム依存に陥ると、視力や運動能力の低下をおこす可能性が高くなります。最近はスマホや携帯型のゲームなど小さな画面でゲームをすることが多くなっている傾向です。小さな画面で長時間ゲームをすると、目が疲れ、視力の低下につながるといわれています。
またゲームでは、全身を使う運動機能はほとんど使いません。家に引きこもり、長時間ゲームをすることで、運動能力や体力の低下を起こします。ゲーム規制条例では、ゲームの時間に規制を設けているため、視力や運動能力の低下を防ぐことができます。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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