インターネットの普及で子どもたちの活字離れが激しいといわれています。
新聞は活字に触れる絶好のチャンスです。さらに世の中の仕組みもわかるので学力向上にも効果的といわれています。ただ、大人の新聞は子どもが読むのにはちょっと難しそうですよね。大手の新聞社から子ども向けの「小学生新聞」が発行されているんですよ!いったいどんなことがのっているのでしょうか?今回は小学生新聞の内容や選び方をご紹介していきます。
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大手3社の小学生新聞を徹底比較
小学生新聞は、読売新聞・朝日新聞・毎日新聞の3社が有名です。3社とも小学生が読みやすい紙面構成ですが、それぞれの新聞には個性と特徴があります。
まずは、3社の小学生新聞の特徴を徹底比較し、どの小学生新聞が適しているかを考えてみましょう。
新聞名 | 発行日 | 月額購読料(税込み) |
読売KODOMO新聞 | 週1 | 550円 |
朝日小学生新聞 | 毎日 | 1769円 |
毎日小学生新聞 | 毎日 | 1750円 |
1年生から読める! 読売KODOMO新聞
読売KODOMO新聞は、読売新聞社が発行している小学生新聞です。週1回発行のため、購読料を安く抑えられます。読売KODOMO新聞の一番の特徴はポケモンやコナンなど、子どもに人気のあるキャラクターが多く登場することでしょう。難しい時事問題でも、コナンが解説することで推理問題を解いているような気持ちになります。また、読売KODOMO新聞は、小学館や四谷大塚と協力しながら紙面を作っています。写真が多い項目は図鑑で有名な小学館と協力し、豊富な写真でインパクトあるページに仕上げています。学習の項目は、中学受験塾大手の四谷大塚と協力し中学受験を控えた高学年にも対応しているのです。
写真やイラストが多い紙面構成のため、全体としては1年生でも読みやすい新聞です。
読みごたえあり! 朝日小学生新聞
朝日小学生新聞は、朝日新聞社が発行している小学生新聞です。毎日発行されていて、読売KODOMO新聞と比べるとかなり文字数が多くなります。朝日小学生新聞の一番の見どころは「天声こども語」でしょう。朝日新聞の一般紙には「天声人語」があります。「天声こども語」は「天声人語」の子ども版であり読解力や文章力をつけるためには、とってもいい教材になるでしょう。中学受験対策として「天声こども語」を書き写して表現力を勉強している子どももいます。
朝日小学生新聞には、あまりキャラクターは登場しませんがマンガ「落第忍者乱太郎」が連載されています。NHK教育テレビで放送されている「忍たま乱太郎」の原作で、子どもたちにはとても人気があるのです。朝日小学生新聞は、3社の中では一番一般紙に近い小学生新聞かもしれません。
大人も読みたい! 毎日小学生新聞
毎日小学生新聞は、毎日新聞社が毎日発行している小学生新聞です。毎日小学生新聞の特徴は「豪華な執筆者」でしょう。テレビでも引っ張りだこの池上彰氏や国連事務次長がコラムを交代(週1回)で執筆しています。また、毎日小学生新聞では「答えがない質問」をテーマにしている「てつがくカフェ」(週1回)があるのです。例えば「お金と命はどっちが大切か」や「親はなぜ怒るのか」のように子どもが感じる疑問に哲学者が答えます。生きる力をはぐくむためには、たったひとつの正答を求めるのではなく、自らが考えて自分の言葉で表現する力が求められるでしょう。
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小学生新聞のここがすごい!
時事問題や読解力をつける目的ならば、一般紙でも可能な気がします。しかし小学生新聞には一般紙にはない優れた点があるのです。
ここからは、小学生新聞と一般紙の違いを具体的に挙げて小学生新聞を購読するメリットをお話しします。
子どもが新聞を読むメリットは?
今までは詰め込み型の勉強法が主流でした。しかし2020年以降の新学習指導要領で求められるのが「読解力」「情報活用の力」「社会への興味や関心」です。新聞を活用すれば新しい時代に不可欠な力が備わっていくのです。
社会的な視点や知識が備わる
自分のまわりで起こっている出来事や社会の問題に関心を持つことができる
漢字力・読解力・論理的な思考が身につく
さまざまな文章や単語を読むことで語彙(ごい)力が高まる。わかりやすく伝えることができるようになる
文章を読む習慣ができる
まとまった文章を読むことで集中力が身につく
幅広い知識や情報を得られる
社会、経済、時事、生活などいろいろな知識が満遍なく得られる
受験の時事問題対策
国語、読解問題、資料の読み方など読解力が高まる
新聞購読と学力のアンケート
新聞をほぼ毎日読んでいる子どもの各評価の平均点をみてみると国語(知識・活用力)、算数(知識・活用力)においてすべて最高得点をとっています。また、読んでいる頻度が低いと平均点も比例して低いことががみえてきます。この結果をみるとやはり活字を読むということが学力アップには大切だといえるでしょう。
ひとつのテーマがコンパクトにまとまっている
小学生新聞は、短い集中力でもひとつのテーマを読み切れるように記事がコンパクトにまとめてあります。テーマの種類も難しいテーマからエンターテインメント性の強いテーマまで幅広くあり、興味があるテーマだけを抜き出して読むことができるでしょう。
小学生になるとテストがあります。限られた時間の中で問題文を読み、質問に答えていかなければなりません。読解力と集中力を身につけることは、知識を蓄えることと同じくらい大切なことです。
一般紙は、ひとつのテーマが深く掘り下げられているため、相当な集中力と読解力が必要になります。小学生新聞で少しずつ読める量を増やしていく方が、無理なく力をつけていくことができるでしょう。
読者も参加できるイベントやテーマがある
朝日小学生新聞には投稿コーナーがあります。読者として読むだけではなく、投稿することでより小学生新聞に親近感を持つことができるのではないでしょうか。また、読売KODOMO新聞には料理をテーマにした記事があります。「新聞は読むもの」という固定概念を覆し、新聞を使うことができるのも小学生新聞ならではの特徴でしょう。毎日小学生新聞では特派員を募集しています。特派員になれば普段ならば会えない有名人に直接インタビューする機会があり「新聞を作る側」を体験することもできるのです。
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子どもにあった小学生新聞の選び方
小学生新聞は、発行している新聞社ごとに個性があります。子どもにあっていない新聞を最初に購読してしまうと「新聞は嫌い」と思ってしまうかもしれません。
最後は、子どもの特徴別に「上手な小学生新聞の選び方」をお話しします。
本が苦手な子どもなら週1回からスタート
小学生新聞を読ませたいと思う親の中には「子どもの本嫌い」に悩んでいる人も多いものです。親は「本がダメなら新聞ならどうだ! 」と思いますが、最初から一般紙や毎日発行の小学生新聞を読ませることはハードルが高いかもしれません。最初は週1回発行の小学生新聞からスタートして、新聞が届く日を楽しみに待つようになったら毎日発行の新聞に切り替えてみましょう。
漢字が苦手な子どもなら総ルビ
新聞を読みたいという気持ちがあっても、漢字のたびにつっかかってしまうと読む気がうせてしまいます。漢字が苦手な子どもには総ルビの小学生新聞を選びましょう。小学生新聞には、総ルビのものと最初の1回だけルビがふってあるものがあります。
また、文字が少なめで写真や絵が多い小学生新聞もあれば、一般紙並みに文字数が多いものもあるのです。漢字が苦手な子どもは、まずは文字を読む習慣をつけるために写真や絵が多い方を選ぶといいでしょう。
動画に慣れている子どもなら色数が多いもの
最近はインターネットの動画をみる子どもが増えています。動画に慣れている子どもは一般紙のように、モノクロの世界はものたりないと感じるかもしれません。その場合は、色数が多い新聞を最初に選ぶといいでしょう。色数が多い小学生新聞を読んでいくうちに、ビジュアルよりも記事の内容に興味を持ち始めるかもしれません。
おわりに
小学生新聞は、小学生向けに作られた新聞ですが、大人が読んでも楽しいテーマが掲載されています。ニュースはスマホでみる大人が増えていますが、親子で共通の新聞を読めば共通の話題を作ることができ、親子の会話も増えるのではないでしょうか。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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「子どもの生きる力を引き出す!」をモットーにして、小学生二人の子育てをしています。現在は、30代後半になりましたが、武蔵野美術大学在学中から物書きを開始しました。職歴は、大学卒業後に会社員として働き、結婚を機に退職しました。現在はフリーランスのライターをしています。保持資格は、簿記3級と秘書検定2級と英検2級です。趣味は「資格の勉強」で、現在は保育士資格取得を目指して勉強をしています。
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