パートで社会保険に加入するデメリットと対策方法
社会保険に加入することで、現在・未来の生活をより安心して送れるメリットについてご紹介しました。しかし、社会保険に加入することで生じるデメリットもあることを忘れてはいけません。ここで、パートで社会保険に加入した場合に気をつけたいデメリットと、その対策方法について考えていきましょう。
実際に得られる収入が減る場合もある
せっかく社会保険に加入したとしても、保険料支払いによって実際の収入が減ってしまう恐れがあるというのが大きなデメリットです。ここで、具体的に社会保険の資産をしてみましょう。
年収120万円の場合の社会保険料月額(月収10万円で試算)
5664.4(健康保険料)+8967(厚生年金)+300(雇用保険料)=1万4931円
1200000-(14931×12カ月=179172)=年収(手取り)102万0828円
年収125万円の場合(月収10万4200円で試算)
6011.2(健康保険料)+9516(厚生年金)+313(雇用保険料)=1万5840円
1250000-(15840×12カ月=190080)=年収(手取り)105万9920円
年収130万円の場合(月収10万8300円で試算)
6358(健康保険料)+10065(厚生年金)+325(雇用保険料)=1万6748円
1300000-(16748×12カ月=200976)=年収(手取り)109万9024円
年収155万円の場合(月収12万9200円で試算)
7283(健康保険料)+11529(厚生年金)+388(雇用保険料)=1万9200円
1550000―(19200×12カ月=230400)=年収(手取り)131万9600円
※東京都の標準報酬月額表(健康保険料・厚生年金)・一般の事業(雇用保険料)をベースに試算。(ともに2018年度の料率)
住民税や所得税も収入に応じて変動しますが、ここでは社会保険料の負担額にスポットを当ててみました。年収と保険料支払い後の金額を見ていくと、年収120万円であれば、年収103万円以内に抑えて扶養範囲内で働いた方が無理のない働き方ができるでしょう。年収125万円まで働けば、扶養範囲内で働くよりも手取り年収が増えることになります。
また年収130万円の場合、保険料負担も加味すると手取り年収約109万円ですが、155万円まで働けば、手取り年収130万円を超えることになります。
社会保険に加入しない方がいい場合と対策方法
家事育児をこなすために無理のない働き方を望む場合、扶養範囲内で社会保険に加入しない方がいいという結論に至る人もいるかもしれません。この場合、以下のポイントを押さえて働き方を工夫してみるといいでしょう。
- 年収106万円未満に抑える
- ダブルワーク(収入先を複数に)する(あわせて年収130万円は超えないように)
- 従業員が500名以下の企業で働く
社会保険に加入できても、生活の負担が増えるだけでなく収入も減ってしまうのであれば、社会保険に加入しない方が得策の場合もあるのです。
おわりに
これまでと比べてパートでも社会保険に加入できる対象が拡大したことで、働き方にも選択の余地が増えた一方で、それぞれのご家庭の状況や考え方で選択肢は異なるでしょう。社会保険に加入するメリット・デメリットを踏まえたうえで、それぞれのご家庭がバランスよく生活していけるといいですね。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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