社会保険や税金の支払いはどうする?
退職後は会社に保険証を返却するため、社会保険は任意継続・被扶養者・国民健康保険(国保)の三つから選択しなければならなくなります。育休中は収入が一気に減るため、想定外の納税で慌てないためにも、それぞれどのように支払えば良いのかを理解しておきましょう。
社会保険は任意継続するべき?
社会保険の任意継続を行うには、退職日までに継続して2カ月以上の被保険者期間があり、退職日の翌日から20日以内に書類を提出することが条件となっています。保険料は全額自己負担となり、今までの2倍の金額になってしまいますが、任意継続することで保険料の約1年11カ月に値する出産手当金を受け取ることができるようになります。退職後にそれほど期間を空けずに働こうと考えている人は、任意継続を考えて見てはいかがでしょうか?
被扶養者はおトク?国保の手続きは?
被扶養者とは、収入を130万円以下に抑えて、夫の健康保険の被扶養者になるということです。被扶養者になると出産手当金はもらえなくなりますが、保険料を支払う必要がなくなりますし、夫が扶養者控除を受けることができ、税金が安くなるというメリットがありますので、退職後に働かない、もしくはパート勤務程度を考えている人にはうれしい制度です。国保については、役所の窓口で手続きをする必要がありますので、お住まいの市区町村の役所にある窓口で手続きの方法や必要書類などを確認するようにしてくださいね。
住民税や所得税の支払いはどうなる?
毎月の給料から天引きされていた住民税は、退職後は支払い義務が生じるようになります。1年間の住民税が4回に分割され自分で支払わなければならないため、負担に感じるかもしれません。しかし、地域によっては分納や減免制度を設けているところもありますので、お住まいの市区町村に確認してみると良いでしょう。所得税については、自分で確定申告をしない限り払いすぎた税金も戻ってきませんので、退職時にもらう源泉徴収票は失くさないよう大切に保管しておいてくださいね。
おわりに
さまざまな理由で育休中の退職を選択する方も多いと思いますが、退職するには多くの手続きが必要になりますので、会社への報告や確認はなるべく早くしておくことが大切です。また、育児中は支出も増えますから、退職後の収入や働き方についてもしっかり考えておくようにしてくださいね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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