最近、子育て世帯を中心に注目を集めている早期退職。しかし、子育て中の早期退職は、経済面の不安などが伴います。そのため、これから早期退職を考えている人にとって、どのようなメリットがあるのかや、どうしたら成功するのかという部分は非常に興味のあるところでしょう。今回は、子育て世帯の早期退職を成功させるポイントについて解説します。
早期退職をして成功する条件とは?
早期退職をしても、誰でも成功するとは限りませんよね。成功するためには、それなりに条件があります。その条件を知る事で、早期退職への準備がスムーズになると言われています。
子育て世帯に注目されている早期退職とは?
早期退職とは、定年よりも前に退職する事を指しますが、その中でも人員整理を目的とした「希望退職」と、企業の人事制度として運用されている「選択定年」の2種類があります。
人員整理を目的とした「希望退職」は、企業が実施する短期的な人事施策の事で、人員削減や事業改革のために行われます。一方、企業の人事制度として運用されている「選択定年」は、定年前でも希望するタイミングで退職する事が出来るものです。希望退職も選択定年も、利用する事で退職金が上乗せされるケースが多くあります。
子育て中の早期退職は成功する?
早期退職はしっかりと準備を行えば、成功すると言えるでしょう。早期退職は珍しいものではなく、多くの企業で実施しているとあって、子育て世帯でも早期退職を検討している人が増えてきているとされています。
実際に、東京商工リサーチの調査によると、2020年に早期・希望退職を行った上場企業は、93社にのぼるという結果が出ているのです。2019年と比べると、2.6倍以上に増えています。
早期退職をして成功するための条件とは?
早期退職を成功させるためのカギと考えられているのが、「生活費」「住居費」「早期退職時点での資産額」です。この3つの項目が、クリア出来ているかいないかで早期退職が成功するかどうかが決まってくると言っても過言ではないでしょう。
早期退職では、その後の生活にかかる費用に、十分余裕が見込める状態であるという事が大前提となります。そのため、ある程度の資産があるという点がポイントなのです。
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早期退職の成功を導くメリット・デメリットとは?
メリットがクローズアップされがちな早期退職ですが、やはり何でもデメリットというものも存在します。メリット・デメリットの両方を知ったうえで、早期退職をする事が重要です。
子育て世帯が早期退職するメリット
子育て世帯が早期退職するメリットは、退職金が上乗せされるという事です。早期退職は、自己都合や解雇などよりも高い金額の退職金が受け取れるという特徴があるので、子育てには助かると言えるでしょう。
また、早期退職は失業保険を早く受け取ることもできます。早期退職は「会社都合退職」なので、失業保険を給付制限なしで受け取る事が可能になるのです。
子育て世帯が早期退職するデメリット
一方、子育て世帯が早期退職するデメリットについても見ていきましょう。
1つ目は、やはり毎月の生活の支えがなくなるという部分です。働いていれば、毎月固定の収入が入ってきますが、早期退職するとそれが途絶えます。また、早期退職すると、年金の支給額が減ってしまいます。年金は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があり、早期退職すると、老齢厚生年金の支給額が減ってしまうのです。さらに、また仕事をしたいと思うようになっても、転職が難しくなる可能性も否めません。
メリット・デメリットを総合的に見て判断する
早期退職には、メリット・デメリットの両方の側面があります。メリットだけを見るとすぐにでも早期退職をした方が良さそうに感じますが、デメリットを知らないまま早期退職をしてしまうと、成功どころか生活自体も危うくなってしまいます。
早期退職を確実に成功させるためには、メリット・デメリットを総合的に見て、タイミングなどを判断する必要があるのです。特に、子育て世帯が早期退職をする場合は、子どもの将来的な部分も視野に入れて、判断する事が大切でしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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