子どもが1人で登下校をするようになると、ケガや事故などを起こさないかどうか不安になりますよね。友達同士でふざけていて、クラブ活動中や授業中、登下校中などの色々な場面で、子どもはケガをする可能性が高いといえます。心配する気持ちが沸き起こるとキリがありませんが、もし、学校や登下校中にケガをした際、治療費や保険などはどうなるのかについて解説します。
学校や登下校中にケガをしたらどうなる?
子どもが学校に行っている時は、親が実際にケガの瞬間を見ることができません。それだけに、学校や登下校中にケガをした場合はどんな補償があるのか?と不安に思う親は多いため、まずはケガに備える知識を持っておきましょう。その際の治療費や保険等についてお伝えするので、参考にしてみてください。
入学時に災害救済給付制度に入る
幼稚園や小学校などに入学をする際には、たくさんの書類を目にすると思います。その際に必ずJSCと呼ばれる日本スポーツ振興センターの「災害共催給付制度」の申込書が入っているものです。
この制度は、学校の管理下で生じたケガなどに応じて治療費を補償してくれるもので、治療費が累計5,000円以上のものに給付されます。学校の管理下というのは、単純に授業中だけの話ではなく、課外授業・登下校・昼休み・放課後教室に残っている時なども含まれることが特徴です。
給付対象になる疾病や障害について
学校での事故やケガは、必ず全て補償を受けられるというわけではなく、文部科学省令で定められているものに限ります。疾病でよくあるもので言えば、熱中症や異物の嚥下などが挙げられ、外部衝撃や負傷によるケガが対象です。
そのほか、一度治った疾病が原因で障害が発生した場合、程度によって1級から14級に区分されており、その際にも給付を受け取ることができます。
例えば、転んだりした時に歯が欠けたなどがあると、1本以上の歯が欠損した場合は1本につき8万円が支給されます。
保険に加入する義務と保険料について
災害共済給付制度に関しては、保護者の同意が必須となり、強制ではありません。保険料は、小学校の場合は1年間で920円となっており、学校側と保護者側でそれぞれ負担します。
大体学校側は4割〜6割負担してくれるので、残りを支払うような形です。非常に安価な金額なので、入っておくに越したことはないでしょう。負担額は必ず同意書の欄に記載があるので、確認しておいてくださいね。
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学校や登下校中にケガをした時の対応
子ども同士がふざけて転んだ、ぶつけたなどでケガする、授業中にケガをしてしまったなどは、よくある話です。
ただ、親としては自分が見ていないときのケガに対してはどうにもできないので、発生した後はどのように対処することが大切なのかを知っておきましょう。単純に病院に行って終了というわけではありませんので、よく理解しておいてください。
病院を受診し医療費の証明をもらう
親がまず行うことは、子どもを病院に連れて行くことです。その際、必ず受診した医療機関で発生した医療費の証明をもらってください。医療費の証明は、その場でもらえることはほとんどありませんので、依頼をしてから約1週間~長い病院な1カ月近くかかることもあると思っていてください。
そのため用紙を持参して依頼するか、急いでいる旨を受付に説明しておきましょう。場合によっては、普段の診断書等を書くよりも早く対応してくれることもあります。
かかった医療費の証明書を学校側に提出する
医療機関から医療費の証明をもらったら、子ども経由で良いので証明書を提出します。この時、学校側はケガが発生した時の状況報告書を設置者に提出するので、きちんと状況を把握しておきたい場合は見せてもらうことも可能です。
ただ、決して見せてもらえるというわけでもないので、断られる可能性があることも念頭に入れておきましょう。設置者は報告書と証明書をJSCに提出し、JSCから設置者に支払いがされ、学校経由で保護者に振り込みされます。
必ず医療費の証明が必要というわけでもない
ケガの状況や発生理由によっては、医療費の証明書ではなく領収書でOKという場合もあります。
そもそも医療費の証明書が必要な理由は、その時のケガに起因して後々何か不調があった際に改めて補償をしてもらえるからなので、例えば鼻をぶつけて鼻血が出て受診をしたなど、明らかに後遺症はなさそうな状況であれば、領収書を提出して現金での給付ということもあります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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