どうすれば麹町中学校に入れるの?
全国の教育関係者が視察に訪れ、マスコミにもたびたび取り上げられる麹町中学校。「公立中学でもこんなことができるんだ!」と、驚きの声が上がっています。気になるのが、「どうすれば麹町中学校に入学できるのか」という点ではないでしょうか。通学事情を見てみましょう。
通えるのは千代田区在住の生徒に限られる
かつて、「番町小―麹町中―日比谷高―東大」という言葉があったように、麹町中学校は公立校ながら、政治の中枢である永田町に近いということもあり、私立校が台頭する前は、エリート層の子弟が通う学校といわれていました。教育熱心な親の中には、越境入学をさせる人も少なくなかったそうです。しかし現在、越境入学は禁止されています。
共働き家庭で、父母のどちらかが千代田区内で働いている場合など、区外在住者の越境入学が認められる例はありますが、麹町中学校では令和2年度から区外在住者の入学を受け入れないことが学校のホームページで告知されています。つまり、例外は認められず、千代田区在住者しか進学できないことになりました。
3倍近くの高倍率。近隣の小学校が優先?
千代田区には二つの公立中学校があり、区内の中学生は居住地域に関係なく、どちらの学校でも選べる「自由選択制」になっています。令和2年度の選択申請状況が千代田区のホームページで公表されていますが、なんと9割以上の小学6年生が、麹町中学校への進学を希望しています。
麹町中学校への進学を希望している小学6年生は366人であるのに対して、麹町中学校の1学年の定員は120~150人程度。つまり、約2.5~3倍の競争率になります。千代田区の小学6年生は中学受験をする子どもが多いといわれており、実際の倍率は低くなると思われますが、抽選になることも念頭に置いておいた方がいいでしょう。また、麹町中学校の近隣にある麹町小学校・番町小学校の生徒が優先されるともいわれています。
千代田区立中学校選択状況
令和2年度 入学予定者の区立中学校選択申請状況(令和元年10月15日現在)
【小学6年生(千代田区民のみ)】
麹町中学校:366名
神田一橋中学校:49名
合計:415名
おわりに
今回は、公立校ながらユニークな改革をすすめている千代田区立麹町中学校の取り組みについて、ご紹介しました。注目度が高い学校だけに人気も高いのですが、子どもを通わせるには千代田区に居住する必要があります。「子どもの教育環境」を住む場所を決めるキーワードに考えている方は、地域の学校について調べてみてはいかがでしょうか。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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