子育ては、20、30代のうちにするものだという意識を持っていませんか?しかし、最近はさまざまな理由で、幅広い年齢の方が子育てをする時代になりました。
ただ、年齢を重ねてから行う子育てには、いくつか気を付けるべき事柄があります。
ここでは、40代で子育てをはじめるときの心構えについて解説します。
40代で子育てをする人は増えている
数十年前は、40代で初めて出産して子育てをする親は少数派だったかもしれません。ところが、2022年現在では40代で子育てをはじめる親も増え、芸能人や有名人などの中でも、精力的に子育てをしている人はめずらしくなくなりました。
女性の初産の平均年齢は約31歳
令和3年(2021年)の厚生労働省が行った人口動態統計において、女性の初産の平均年齢は30.9歳とという結果が報告されました。
一方、1975年頃は25.7歳が初産の平均だったとのデータが示されていますので、5歳程度年齢が上がっていることが分かります。しかし、これはあくまでも平均のため、30.9歳以上で初産を経験する女性も多いと推測できます。
母の年齢(5歳階級)別では、40~44歳、45歳以上の第二子、第三子については、令和2年より増加しています。
出生順位別では、第一子は前年より減少し、第二子、第三子以上では増加しているのかわかります。
この数字から40代で出産、子育てをしている女性は少しずつ増えているといえるでしょう。
影響しているのは女性の社会進出
現代では「男性は仕事、女性は家庭」という価値観が薄れ、結婚後も女性が仕事を続けることはめずらしくなくなりました。また、仕事を優先し、ある程度の経験を積んでから結婚、出産をする女性も多くいます。
キャリアをしっかりと築くという考えを重視することで、初産の時期が遅くなることは大いにあるでしょう。
医療の進歩で高齢出産も可能に
最近では医療や不妊治療が進歩したおかけで、出産時に赤ちゃんの命を救えたり、妊娠しづらいカップルでも子どもを持てたりする世の中になりました。
そのため、40代になっても安心して出産できる要素が増えています。
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40代の子育てにおける心構えについて
40代で子育てをする親が増えたとは言っても、20代の親とまったく同じやり方で取り組むのは難しい場合があります。そのためには、年齢に応じた子育てにおいての心構えを持っておくことが大切です。
心身の健康面に気を配っておく
現在の40代はまだまだ元気なことが多いですが、20代の親と比べればどうしても体力が低下しているものです。例えば、子どもが激しく動きまわるようになると、ついて行くだけで疲れてしまうというケースもあるでしょう。子どもは成長するとともに、もっと活動範囲が広がります。
そのため、親もこまめに運動をしたり生活のリズムが乱れたりしないよう、健康面に気を付けることが大切です。
周囲の若いママ友に対して落ち込まない
子ども同士が同じ年齢でも、彼らの親はそれぞれ出産時の年齢が異なります。Aちゃんの親は20代で出産したけれど、Bちゃんの親は40代で出産したというケースもめずらしくありません。若いときに出産したママ友を見ると、つい羨ましくて後ろめたい気持ちになることがあるでしょうが、落ち込むことはありません。
出産の時期はそれぞれ違うのが当たり前ですので、年齢をネガティブに捉えすぎないようにしてくださいね。
親の介護と子育てが重なる可能性も考慮する
40代で出産すると、自分の親もある程度高齢になっている場合が多いでしょう。そのため、親の介護が必要になることもあります。それと同時に子育てもしなければなりませんので、若い頃に出産するよりも毎日が大変になるケースも。
介護と子育てが重なったら、パートナーとより協力し合ったり、外部のサービスを検討したりしながら柔軟な対応が求められます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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