妊娠中に限らず、健康診断などの際には「尿検査」が行われることが多くあります。尿検査は外からでは見えない体の内側の問題について調査することができる重要な検査です。
特にこの尿検査によって明らかになることが多いのが「腎臓機能」の低下です。腎臓は、体内の老廃物をこしとる「フィルター」のような役割を持っています。
この役割が弱まると、体内の解毒がうまく行われず、重い症状につながってしまう危険があります。
尿検査で分かることのひとつとして「尿タンパク」があります。この尿タンパクは、なぜでるものなのでしょうか?
尿タンパクとは何か?
そもそも、尿タンパクはどのようなことを示している数値なのでしょうか。文字通り、これは尿の中に含まれているタンパク質のことを指しています。
通常は腎臓機能によってタンパク質が尿に混ざらないようになっており、尿タンパクが高い場合には腎臓機能の低下が起こっていることが考えられます。妊娠中の場合を除けば、糖尿病などの場合によく見られます。
妊娠中にこの尿タンパクがでてしまいやすい原因は、妊娠中は自分だけではなく、胎児の毒素についても母体の腎臓で処理されることになるためです。
通常以上に高い負担がかかることになるため、正常な機能ができなくなり、尿タンパクがでてしまう可能性があるのです。
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尿タンパク検査で分かること
それでは、妊婦に対して尿タンパク検査を行った場合、どのようなことが分かるのでしょうか。
ひとつは、「妊娠中の生活習慣」がどのようになっているのかを類推することができます。多くの場合妊娠中の尿検査は、妊娠20週目あたりから行われるようになります。
このぐらいの時期から母体に対する負担が高くなり、尿タンパクがでやすくなるためです。
また、つわりが収まってから少々時間がたっている時期でもあり、どうしても生活習慣が乱れていることが多い時期でもあります。その時期に生活習慣が乱れ、母体、胎児に影響がでていないかどうかを確認する目的もあります。
さらに、妊娠高血圧症候群が発生していないかどうかを確認するためのものでもあります。尿タンパクがでてしまっている場合、妊娠高血圧症候群が発生している可能性があります。
血圧が上がるともろもろの悪影響がでることが考えられるため、早めに察知しておく必要があります。

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