【医師監修】B群溶連菌感染症(GBS)の診断基準・症状・原因・治療・入院の必要性

監修医師プロフィール:清水なほみ 先生のイラスト 清水なほみ 先生

2001年広島大学医学部医学科卒業、広島大学附属病院産婦人科・中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。

日本産科婦人科学会専門医、日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。

日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。病院に行きづらいという患者さんの悩みを、現役医師の知識を活かしてサポートします。

http://www.vivalita.com/staff.html


B群溶連菌感染症
出産が近くなると妊婦さんはGBS検査というものを受けます。GBSとは「Group B Streptococcus」のことで、日本名で「B群溶血性連鎖球菌」です。実は健康な人でもこの菌は皮膚などに潜在しています。しかし、これがお母さんから免疫力の弱い赤ちゃんに伝染すると大変な症状を引き起こしてしまうのです。B群溶連菌感染症はどのような症状なのか、感染の原因は何なのかということについて解説していきます。

B群溶連菌感染症とは?

医師の診断
GBSそのものは生命力が弱いので、普段は膣や直腸、ぼうこう、肛門の周りに潜んでいます。常在菌という害のない菌で、10%ほどの妊婦さんが保有しているといわれています。GBSを拡大して確認してみると、菌が一列に並んで鎖のようになっているため「連鎖」という語が用いられています。

妊娠していない状態でのGBSはその他の細菌と同等で、ぼうこう炎などを引き起こすような菌です。抗生物質が効きやすい菌なのでそれほど心配する必要はありません。しかし、分娩時に膣内にGBSが存在していると菌が赤ちゃんに伝わってしまうため問題が出てきます。大人は免疫力がありますが、新生児は免疫力がゼロの状態です。そこでB群溶連菌感染症にかかると赤ちゃんは髄膜炎や肺炎を引き起こしてしまう可能性があるのです。

B群溶連菌感染症の診断基準は?

妊婦さんは基本的に、妊娠後期にB群溶連菌感染症の検査を行います。産婦人科診察ガイドラインでも妊娠33~37週の間に膣の培養検査を行うことを勧めています。貧血チェックのための血液検査と同タイミングで行います。検査は綿棒で膣や肛門付近から菌を採取し、陽性か陰性かで診断が下ります。ただし、前回の出産時に陽性と判断された場合は、今回も陽性と判断され、検査を受けずに済むことがあります。

ちなみに初期や中期ではなく、後期に検査を行うのには理由があります。赤ちゃんが産道を通過するときに感染するためです。陽性と診断されたからといって必ず発症するわけではなく、確率としては100~250人に1人とされています。

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B群溶連菌感染症の症状は?

点滴をする看護師

赤ちゃんの場合

新生児の発症時期は大きく分けて二つあります。早発型と遅発(晩発)型です。前者は生まれてから1週間以内に発症した場合の名称で、全体の約80%を占めています。この80%のうちの9割が生後1日以内に発症するといわれています。早発型は遅発型に比べて重症になりやすいため、注意が必要です。後者は生後1週間以降に発症した場合の名称です。症状自体は同じですが、呼吸器系の症状はほとんど出ないとされています。

1.髄膜炎

人の脳や脊椎は髄膜という薄い膜で覆われています。その髄膜にウイルスや細菌などが付着することによって炎症が起き、髄膜炎になってしまいます。赤ちゃんが髄膜炎を発症すると、食欲不振になり、嘔吐(おうと)したり、けいれんを起こしたりします。急に体温が上がったり下がったりすることも特徴です。髄膜炎はよく耳にする単語ですが、非常に危険性の高い病気です。

特に赤ちゃんの場合、自分で「痛い」と発言することができないため、発見が遅れがちです。GBSによる髄膜炎の場合、後遺症をもたらし、死に至ることも少なくありません。また、最悪の事態から逃れられたとしても、脳に損傷が残り、聴力や視力、運動、学習など多方面に障害が残ることが考えられます。赤ちゃんの急な体調変化には注意しましょう。

2.敗血症

敗血症とは血液の中にB群溶連菌が入り込むことによって発症してしまう病気です。血圧が低下し、血流が悪くなることによりそれぞれの臓器に影響を及ぼし、意識障害や呼吸困難になることがあります。初期症状としては、発熱と血圧低下が挙げられます。

3.肺炎

肺炎と聞くと「ご年配の方の病気」という印象があるかもしれませんが、実は赤ちゃんも注意すべき病気のひとつなのです。赤ちゃんの場合、症状としては38℃以上の熱、たんやせきが挙げられます。大人に比べて症状がわかりにくいので、少々厄介な病気です。症状が進行していくと、呼吸困難やチアノーゼを発症することも。高熱とたんのからんだせきが見極めのポイントなので、それらの症状がみられたらすぐに病院へ行きましょう。

お母さんの場合

冒頭でも述べたように、B群溶連菌自体は非常に弱い細菌です。そのため、健康な人の場合はほとんど発症することがありません。多くの妊婦さんの場合も、感染していても無症状であることがほとんどであるとされています。妊娠中の場合は、絨毛(じゅうもう)膜羊膜炎になる可能性があるので、一度病院で検査を受けた方がよいでしょう。

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