ヘルニアの症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

ヘルニアの症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

ヘルニアについて

腰痛1

物を持ち上げたときに、突然腰に激しい痛みが…ということはありませんか?急な腰痛のときには、安静にして無理に動かないことが大切です。ただし足のほうに響くような痛みやしびれなどを感じる場合には、椎間板ヘルニアの可能性があります。

椎間板ヘルニアとは、背骨の腰部の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている軟骨(椎間板)が変性し、組織の一部が飛びだすことです。ヘルニアは腰痛の中でも最も多い症状とされています。このとき、飛びだした椎間板の一部が付近にある神経を圧迫し、腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状を起こします。この症状を坐骨(ざこつ)神経痛といい、椎間板ヘルニアの代表的な症状となっています。

俗にいうぎっくり腰はこれにあたります。ヘルニアはどんな人でもかかりうる、身近な病気です。ここではヘルニアの予防方法や診断基準、症状などを解説していきます。

ヘルニアの症状

腰痛2

ヘルニアの場合、通常の腰痛とは違い、せきやくしゃみでも腰に激痛がはしります。また、臀部(でんぶ)から足にかけ、猛烈な激痛を訴える患者さんが多くいます。通常は片側の下肢痛ですが、ヘルニアが巨大な場合は両側に症状が出ることもあります。

他の一般的な症状としては腰から足先にかけてのしびれや痛み、感覚障害、冷感、筋力の低下、重度の場合は排尿障害や便秘、頻尿、インポテンツを引き起こすこともあります。

椎間板ヘルニアの自覚症状は以下の通りです。

  • 立っているとすぐにつらくなる。
  • 15分くらいでも椅子に座っていることがつらい。
  • 30分以上歩くと腰が痛くなり、下肢にピリピリとした痛みがある。
  • 前かがみの姿勢で痛みが強くなる。
  • 下肢の一部に触っても感覚が鈍い。
  • 座った状態から立ち上がることがつらい。

これらの症状がみられたらヘルニアの可能性があるので、一度医院を受診するようにしましょう。

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ヘルニアの診断基準

カウンセリング

診断には問診や視診、触診が重要です。問診では神経の障害を調べるテストを行います。どこが痛いのか、どういった症状があるか、痛みの程度はどのくらいか、いつから症状が始まったか、ということを聞かれます。他には原因として考えられることがあるか、仕事内容はなにか、ということが問われることもあります。

触診では「下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)」や「大腿(だいたい)神経伸展テスト(FNSテスト)」、「腱(けん)反射検査」が行われます。SLRテストでは、仰向けに寝ている患者さんの足とひざを伸ばした状態で持ち上げ、痛みについての検査を行います。FNSテストではうつぶせに寝ている患者さんの、片方の足首を支えてひざを曲げた状態で、ももを持ち上げます。曲げた足の太もも前面に痛みがおこったら、神経根に障害がおこっている可能性があると判断されます。

腱(けん)反射検査では、ゴム製の小さなハンマーでひざ下やアキレス腱(けん)を軽くたたいて反射を調べます。これは神経が正常に働いているかの判断材料となります。また、筆やピンなどで皮膚にふれて感触や痛みを調べ、神経が障害を受けていないかをみる感覚検査も行うことがあります。

視診検査では、画像検査を用い、エックス線検査とMRI検査が主体となります。エックス線検査は椎間板や神経は通常のエックス線検査では写らないので、腰椎椎間板ヘルニアの確定診断には不向きですが、骨の状態をみるには適しているとされています。

MRI検査は腰椎椎間板ヘルニアの診断に用いられる中心的な検査です。椎骨、椎間板、神経(神経根や馬尾)の情報が鮮明な画像で得られるため、病変部を詳細に把握することができ、有効な画像検査とされています。

ヘルニアになる原因

医師の説明

原因としては姿勢や動作などの環境要因、元来の体質や骨の形などによる遺伝要因、そして加齢が関係しているとされています。椎間板には、座る、立ったまま前かがみになるといった姿勢や動作でも体重の約2.5倍の圧力がかかるといわれ、こうしたことの繰り返しが、椎間板に変性をもたらし、椎間板へルニアに発展するものと考えられています。

日常生活の中では、中腰で重いものを持ち運んだり、腰を強くひねったりということが原因になることが多いようですね。オフィスワークなど、長時間の座り仕事や運転なども要因のひとつとされています。

さらに、椎間板は20歳を過ぎた頃から、だんだんと弾力性がかけてゆくといわれています。これが進行することで、ちょっとした動作による衝撃や圧迫に耐えられず、髄核が突出しやすくなります。これにより、先に述べた日常生活での動作が引き金となり、椎間板ヘルニアが引き起こされる原因となるのです。

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ヘルニアの治療法は?

手術

椎間板ヘルニアの治療法は、保存療法と手術療法があります。ヘルニアは、自然治癒することもあるため、まずは、保存療法から治療が進められます。

  • 神経ブロック…激しい痛みを抑えるために、局所麻酔やステロイド薬を注射し痛みを和らげます。注射の部位によっては、入院が必要な場合もあります。
  • 薬物療法…非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩(しかん)薬を使って痛みを抑えます。
  • 理学療法…痛みが落ちついたあと、筋肉を強化するための体操や、専用の器具で身体を「けん引」することなどが行われます。

次に行われるのが手術療法です。保存療法を行っても痛みが治まらない場合や、足にまひがある場合、「排尿・排便障害がある場合」には、48時間以内に緊急の手術を受けるように勧められています。

  • 後方椎間板切除術…患部を背中側から切開し、ヘルニアを切除します。
  • 椎間固定術…金属などで骨を固定する方法で、特に腰痛がひどい場合に、後方椎間板切除術と同時に行われます。
  • 経皮的椎間板療法…背中を切開せずにヘルニアを切除する新しい手術法です。ただし適応するヘルニアのタイプが限られています。

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