PTSDの症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

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PTSDについて

トラウマのイメージ

PSTDとは、『Post Traumatic Stress Disorder』の略称であり、日本名は『心的外傷後ストレス障害』といいます。命の危険を感じたり、強烈なショック体験、自分ではどうしようもない圧倒的な強い力に支配されたりといった、強いストレスが心のダメージとなり、時間が経過した後でも、その経験に対して強い恐怖を感じることでPTSDになります。

震災などの自然災害、事故、暴力や犯罪被害などが原因になると考えられています。PTSDは、とても怖い思いをした記憶がトラウマとなり、 そのことが何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける病気なのです。

PTSDの症状

頭を抱える女性

PTSDの症状はいくつかあります。代表的なものにまず追体験(フラッシュバック)があります。発症の原因となったものを完全に忘れたつもりでいても、意図せず思い出し、そのとき味わった身体的苦痛や感情を追体験する症状です。この場合の感情は恐怖だけではなく、苦痛や怒り、悲しみ、無力感などさまざまです。突然感情が不安定になり、取り乱したり涙ぐんだり、体が強張り、冷や汗をかくなどの身体症状が出ることがあるようです。また、その出来事を繰り返し夢に見ることもあります。

次の特徴としてはPTSD患者さんの多くは常に神経がはりつめている「過覚醒」状態が挙げられます。過覚醒とは、再び危険な状態に陥った場合に対応できるよう、常に身構えている状態です。当時の記憶がよみがえっていない時でも緊張状態が続き、常にイライラしている、小さなことでも驚く、警戒心が異常なくらい強い、ぐっすり眠れないなどの過敏な状態が続くようになります。

また、記憶を呼び起こす状況や場面を避けるようになります。いつも通りの日常に思える毎日でも、PTSD患者さんにとっては嫌な記憶を思い出すきっかけがたくさんあります。彼らは何度も記憶を呼び起こすうちに、そのようなきっかけを避けるようになります。きっかけになるポイントは本人にもわからず、意識できないままでいるのです。しかし、きっかけがわからない場合でも無意識の意識がはたらき、自分でも気が付かないうちにそれらの状況を避けるようになるのです。その結果、きっかけに触れることを恐れ、行動をしなくなり、いつもの日常生活や社会生活が送れなくなってしまうことも少なくありません。

さらに感覚や感覚が麻痺します。また、辛い記憶で苦しむことを避けるために感情や感覚が麻痺するという症状が出ることがあります。そのため、家族や周囲の人に対する愛情や優しさを感じなくなり、人に心を開くこともできなくなりがちです。

PTSDは、上記のほかにも様々な症状を引き起こします。筋肉痛、下痢、不整脈、頭痛、パニックや恐怖心、抑うつ気分、過剰な飲酒、薬物の使用などは、その代表とも言われます。

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PTSDの診断基準

診断

外傷のある病気とは違い、精神的な疾患であるため、見た目では判断しにくい病気がPTSDです。そのため、PTSDには米国精神医学会によるDSM-IV基準によって診断が行われることが一般的です。場合によっては世界保健機関(WHO)が作成している『ICD-10基準』というものが使用されることもあります。

それらの基準としてはまず「実際に死に直面する出来事を経験した、またはその場面を目撃した」ということが挙げられます。それ以外にも「その出来事の夢を見てしまう」「フラッシュバックする」「記憶を呼び起こすきっかけとなりそうなものを回避する」「その出来事が原因でイライラし、不眠症になる」といった症状が繰り返し起こってしまう場合です。これらの症状が一ヶ月以上継続して起きてしまう場合にPTSDと診断がくだります。

PTSDになる原因

PTSDになる原因は、生死にかかわるような危険を体験した場合や、目撃した場合などの明らかな要因によって発症します。具体的には震災などの自然災害、重大事故、性的および肉体的暴行や幼少時の虐待、戦闘体験、犯罪被害などが挙げられます。ただし、その状況を体験した人全員がPTSDになるというわけではありません。PTSDになるかどうかは、その人の性格傾向や家族に精神疾患の患者がいるかなど、様々な要因が影響してきます。

発症率でみると自然災害の被災者では3%程度、戦闘では50%弱、性的暴行(レイプ)では60%程度とされています。また、同じ被害を受けても女性のほうがPTSDを発症しやすいことがわかっています。

PTSDの治療法は?

薬

治療の基本は心の傷の回復を手助けすることと、苦しい症状を軽減することです。主な治療法としては、持続エクスポージャー療法と薬物療法があります。

持続エクスポージャー療法とはトラウマとなった場面をあえてイメージすることにより、これまで避けていた記憶を呼び起こすきっかけに身を置くようにする治療法です。思い出しても危険はない、怖くはない、ということを患者さん自身に肌で感じてもらい、症状を落ち着けていきます。この治療に関しては必ず専門の治療者の立会いのもと、今の状況は安全であるということを患者さんに理解していただいた上で行います。

うつ病や不眠症も併発してしまっている場合には薬物療法を施します。SSRIをはじめとする抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬などを症状に合わせて処方されます。ただし、妊娠している方の場合は胎児に影響を及ぼすため、薬物療法はおすすめいたしません。担当の医師とよく相談し、回復に向けてゆっくり治療しましょう。

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PTSDの予防について

相談

PTSDの予防には、災害時や事故など、原因となりかねる状況に遭遇した場合に周囲の人に頼るということが大切です。自分で抱え込んでしまってはストレスがたまる一方であり、不安が募ってしまいます。また、災害時など複数人がその状況に遭遇した場合にはお互いにお互いを励ましあうなど、配慮することも大切です。特に子供はショックな出来事をトラウマとして記憶しやすいため、周囲の大人が落ち着き、子どもを安心させてあげることが重要です。

妊娠している方で二人目の妊娠などの場合には、一度目の出産時のトラウマに悩まされるケースもあるとされています。出産経験のある友人などに相談したり、不安を打ち明けたりしながら、まずは自分の恐怖心を取り除いていきましょう。

PTSDの入院の必要性は?

PTSDの治療は基本的に通院で行いますが、場合によっては入院が必要になる場合があります。アルコール依存症、薬物の使用を繰り返す、不安症状が強い、破壊行為・自傷行為をしている、自殺する恐れがある、といった場合には入院治療が必要となります。入院治療では精神治療をはじめる前に治療環境を改善します。アルコールの依存を緩和するなど、ある程度の目標をもって集中的に治療を行います。

おわりに

大きな災害や事故などに遭遇した場合、誰でもショックを受けますし、動揺します。それを誰にも話せず、自分を押し殺してしまうとPTSDを発症してしまうのです。

もしそういった場面に遭遇してしまった場合には、自分の心の変化に寄り添い、周囲を頼ってみましょう。「話す」という行為ひとつでもPTSDは十分予防できる行為です。これから出産を迎える初産婦さんは、特に参考にしていただけると嬉しいです。

参考サイト

こころの病気といっても、種類も症状も様々。病名をつける方法は体の病気とは考え方が異なり、主に症状や持続期間、生活上の支障などから診断名をつけます。

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33歳。B型。既婚。
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