睾丸炎の症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

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菌

睾丸が痛む場合、見た目や場所などで判断することが大事になります。炎症を起こしている場合、発見が遅れてしまうと不妊の原因になってしまうことも。そこで「睾丸(精巣)炎」についてご紹介します。

睾丸炎について

痛がる男性

睾丸炎は、男性の陰嚢(いんのう)の中にある生殖器、精巣に炎症がおきる病気です。おもに細菌やウイルス感染によって発症します。急に陰嚢が赤く腫れあがり激しい痛みをともなう急性精巣炎と、精巣が徐々に腫れ、痛みや発赤はほとんどみられない慢性精巣炎があります。

睾丸炎は、左右ふたつある精巣のうち、いずれか片方に発症しますが、まれに両方の精巣に発症することもあり、その場合、精巣が委縮し精液の中に精子が存在しない「無精子症」を引き起こすこともあります。似た病気で精巣上体炎(副睾丸炎)がありますが、精巣上体炎は、睾丸と隣り合う位置にある精巣上体(副睾丸)に炎症が起こるものであり、睾丸炎とは区別される病気です。

睾丸炎の症状

睾丸炎にはおもに急性と慢性の2種類があり、症状が異なります。急性の場合、陰嚢に急激な腫れや発赤が生じ、激しい痛みや高熱がみられることが特徴です。排尿障害はありません。一方、慢性の場合、陰嚢の発赤や痛みはほとんど見られません。精巣が徐々に腫れてくる症状が特徴です。

睾丸炎の診断基準

まず問診、視診、触診が行われます。触診では、睾丸や副睾丸の位置、膨張の程度、硬結(しこり)、圧痛の有無などを調べます。睾丸と副睾丸がひとかたまりになっている場合は、急性の睾丸炎か副睾丸炎が疑われます。 陰嚢内にあるはずの睾丸に触れることができないときは、停留睾丸か無睾丸症の可能性があります。

睾丸の病気は、視診と触診でほぼ見当がつきますが、必要に応じて透光検査や 超音波検査などが行われることもあります。透光検査は陰嚢水腫の診断のために行うもので、懐中電灯を 陰嚢部にあてて、陰嚢が透けて見えたら陰嚢水腫と診断されます。このほか、不妊症の診断のためには、精液を採取して精子数や運動率などを調べる精液検査や、 精子の形成機能をみる睾丸生検などを合わせて行います。

睾丸炎になる原因

睾丸炎が起こる原因はおもに3つあります。さっそく原因別にみていきましょう。睾丸炎の原因には、下記のようなウイルス、細菌感染があげられます。

ムンプスウイルス感染

ムンプスウイルスは、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因ウイルスです。急性睾丸炎の場合、ほとんどがこのウイルスが原因で発症します。幼少期に流行性耳下腺炎(おたふく風邪)にかからず、予防接種も受けていない思春期以降の男性がかかった場合、約30%の人が急性睾丸炎を発症するとされています。

細菌感染

細菌性の睾丸炎の多くは細菌が膀胱や尿道に入り込むことで、精管を通じてまず睾丸と接している精巣上体(副睾丸)が精巣上体炎(副睾丸炎)を発症します。それが波及して精巣に感染するのです。クラミジアや淋菌など性の原因菌をはじめ、結核菌や大腸菌、ブドウ球菌などがあてはまります。

他の感染巣からウイルスが運ばれる

睾丸炎は、ウイルスや菌が感染した体の部位からの血行性感染で発症する場合もあります。前述の流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のムンプスウイルスも、血行によって精巣に運ばれ感染するケースです。ほかにも、扁桃腺や上顎洞炎、虫歯や歯槽膿漏、骨髄炎、心内膜炎、蜂巣織炎など、体の他の部位に感染巣がある場合、その菌やウイルスが血流にのって運ばれ、睾丸炎を発症することがあります。

細菌やウイルス以外の原因

睾丸炎は、ウイルスや細菌以外の原因でも発症することがあります。

外傷によるもの

陰嚢を激しく打つなど、精巣の損傷による外傷性の睾丸炎を起こすことがあります。精巣の痛み、寒気や震え、腫れや熱感をともなうだけでなく、下腹部痛や発熱などの症状があらわれます。

寄生虫によるもの

フィラリア症や住血吸虫症など、中間宿主を介して人の体に感染する病気により、睾丸炎を引き起こすことがあります。

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睾丸炎の治療法は?

睾丸炎の原因によって、その治療法は変わってきます。

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)による睾丸炎の場合

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のムンプスウイルスが原因の場合は、効果的な薬剤が存在しないため、対症療法で安静を保ち自然に治るのを待ちます。痛みや不快感を緩和させるには、冷湿布や保冷剤などで精巣を冷やすと効果的です。しかし、凍傷を避けるため、保冷剤や氷嚢を使う場合には、直接陰嚢にあてないように注意しましょう。また、サポーターなどで陰嚢を軽く持ち上げた状態に保つことも不快感を減らすのに効果的です。

熱がある場合には、解熱鎮痛剤が処方されることがあります。およそ1週間から10日ほどで炎症はおさまります。

結核性による慢性睾丸炎の場合

結核菌の感染により発症する睾丸炎の場合、基本となる治療は、抗結核薬を用いた結核の治療です。そこに、睾丸の炎症を抑える薬剤を併用するなどして、その後の様子をみていきます。ただし、それは初期の結核性睾丸炎の場合です。睾丸炎の症状がある程度進行している場合には、まず、睾丸の摘出手術を行い、それから結核の治療を継続していく治療方法が選択されることがあります。

細菌性の睾丸炎の場合

まず原因となった細菌を特定します。そして、それに適した抗生物質を投与します。ほとんどの場合、正しい投薬によって快方に向かいます。あわせて抗炎症剤や冷湿布などをとり入れることもあります。1週間ほどで症状は改善しますが、処方された抗生物質は途中でやめず、最後まで服用することが大切です。

性感染症の原因菌により発症した場合には、治療期間中の性交は禁止となるほか、パートナーも一緒に検査や治療を行う必要があります。性感染症の原因菌から発症する睾丸炎は、必ずコンドームを使用するなど、より安全性の高い性生活を心がけることで防ぐことが可能です。ふだんから不特定のパートナーと性交している場合には、特に注意が必要です。

扁桃腺や上顎洞炎など、そのほかの感染巣が原因で発症する睾丸炎も、原因となっている部位の感染巣を治療することで、睾丸の症状も快方へ向かいます。

睾丸炎の予防について

コンドーム

いくつかの種類の睾丸炎は予防することはできません。 これは、特に先天的な尿路障害を持つ人に当てはまります。 しかし、特定の種類のウイルス性睾丸炎は防ぐことができます。 一例として、大人も子どもも流行性耳下腺炎の予防接種を受けることによって、睾丸炎にかかるリスクを軽減させることができます。また安全な性行為を心がけることにより、細菌性睾丸炎を防ぐことができます。 パートナーの性行為歴を把握し、コンドームを使用しましょう。

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睾丸炎の入院の必要性は?

安静にしている男性

高齢者で熱があったり、抵抗力の弱った状態の方だったりすると入院することもあると思います。しかし、家で安静にすることができれば、必ず入院が必要というわけではありません。

おわりに

睾丸炎をはじめとする睾丸の病気のなかには自覚症状に乏しいものもあり、気づいたときにはかなり症状が進行し、手術が必要になるケースも多くあります。入浴時に陰のう部のしこりや腫れの有無をチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。子どもに起こる病気もあるので、親が日ごろからチェックするようにします。

睾丸の病気になると、性生活や不妊症に対する不安を抱きやすいものですが、ほとんどは適切な治療によって改善します。恥ずかしがらずにパートナーと十分に話し合い共に病気を理解し、協力しながら治療に臨む姿勢が大切です。

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