多嚢胞性卵巣症候群の症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

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多嚢胞性卵巣症候群の症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)という病名を耳にしたことはありますか。近年、婦人科系疾患の中でも特に患者数が急増しており、日常生活に支障をきたす場合もある疾患です。さっそく症状や原因、治療方法などについてチェックしていきましょう。

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 多嚢胞性卵巣症候群について

黄体ホルモン

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の中に卵胞卵子の入った袋)がいくつもでき、障害を引き起こす病態のことです。英語ではPolycystic ovary syndrome、略してPCOS(ピーコス)とも呼ばれます。

卵巣には卵細胞がたくさんありますが、一般的には、月にたったひとつずつが成熟し、その卵子が排卵されます。卵細胞は卵胞に包まれており、成熟する過程でこの袋が大きくなっていき、大体2㎝ほどになると破裂して排卵が起こります。

多嚢胞性卵巣症候群の場合は、この袋が卵巣の中にたくさんできて、そこそこ大きくはなるものの、破裂して排卵されるまでには至らないために、卵巣の中に未熟な卵が残ってしまうのだといわれています。

ただ、<病気というより病態(病的な状態)と捉える方が的確とも言え、卵巣が多嚢胞性卵巣であるだけでは多嚢胞性卵巣症候群とは診断されません。

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多嚢胞性卵巣症候群の症状

多嚢胞性卵巣症候群の場合、卵巣自体に痛みを生じたり、不快感があるということはありません。主な自覚症状として以下のものが挙げられます。

  1. 排卵が起こりにくいことによる月経不順・無月経・無排卵月経
  2. 卵胞に含まれる男性ホルモンが血中で増加することによる多毛、にきび、低音声などの男性的特徴
  3. 肥満
  4. 黄体ホルモンの分泌異常による月経過多・不正出血
  5. 排卵障害による不妊

これらの症状は別の病気でも生じることが多いのが特徴です。生理不順は多嚢胞性卵巣症候群の他に子宮疾患や他の卵巣疾患の可能性もありますし、にきび・多毛・肥満といった症状には個人差があります。

多嚢胞性卵巣症候群であっても多毛や肥満等の症状がなく、自覚症状としては月経不順程度しか感じない人もいます。自覚症状だけでは確定できない病ですので、月経不順等がある場合は病院等での検査が必要です。

多嚢胞性卵巣症候群の診断基準

ホルモン負荷試験

血液中のホルモン検査やホルモン負荷試験、卵巣の超音波検査で診断します。 ホルモン検査では、LHがFSHより多い(正常のときはFSHのほうが多い)という特徴があります。テストステロン(男性ホルモン)値もしばしば増加しています。 超音波検査では卵巣に普通より多い数の卵胞が見えます。

腹腔鏡下手術で卵巣のごく一部をとって顕微鏡検査をすることもあります。そして日本の診断基準では、以下の3項目をすべて満たす場合に、多嚢胞性症候群と診断されます。

  • 無月経(薬を用いないと生理がこない)
  • 月経周期が39日~3か月の、稀発月経
  • 排卵を伴わない無排卵月経(無排卵周期症

上記いずれかの月経異常がなければ、多嚢胞性卵巣症候群とは診断されません。

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多嚢胞性卵巣症候群になる原因

卵胞刺激ホルモン

はっきりした原因はわかっていないのが現状で、いくつかの要因が考えられています。体質や生活環境など、個人によっても異なるといわれています。今のところ、内分泌異常と糖代謝の異常だとする説が有力です。

●内分泌異常

脳下垂体からの指令により卵胞の発育を促進するLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)というホルモンが分泌されますが、LHの分泌が増えてFSHとの分泌バランスが乱れ卵胞がうまく発育できなくなることで、排卵が起きにくくなると考えられています。

●糖代謝異常

すい臓から分泌されるインスリンの量が増加することで男性ホルモンの量が増加し、月経不順などの症状を引き起こすと考えられています。

多嚢胞性卵巣症候群の治療法は?

無月経

多嚢胞性卵巣症候群の根本的な治療法はまだ見つかっていないため、対症療法となります。まずは不妊につながる排卵の問題に対処するために、クロミフェンという排卵誘発剤を投与して排卵を促す治療が行われます。クロミフェンは非常にゆるい効果を発揮するタイプの排卵誘発剤で、副作用は比較的軽い反面、効果が出るまで時間がかかる場合があります。

次にクロミフェンを使っても排卵が起こらない場合は、hMG-hCG療法という注射療法が行われます。この治療法はクロミフェンよりも排卵誘発効果は高いのですが、人によっては誘発効果が高すぎて卵巣が腫れたり、お腹に水がたまったりする「卵巣過剰刺激症候群」を引き起こすリスクがあります。

他にも、腹腔鏡下手術で卵巣の表面に小さな穴をあけて排卵を促す方法や、現時点で妊娠を希望しない場合はカウフマン療法とよばれるホルモン療法、まずは月経を周期的に起こすために低用量ピルなどのホルモン剤を使う療法など、治療方針や体質などに合わせた治療法をとります。

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多嚢胞性卵巣症候群の予防について

生活習慣を改める

多嚢胞性卵巣症候群にはこれをすれば大丈夫という予防法はまだありません。しかし前述したように糖代謝と関連が深いのではないかと考えられているため、甘い物が好きで毎日大量に食べている人は少し控える、肥満にならないよう定期的に運動するなど生活習慣を改めることが予防法の一つです。

多嚢胞性卵巣症候群の入院の必要性は?

腹腔鏡手術

手術で治療をする場合、現在は腹腔鏡手術が一般的で、卵巣にレーザーなどで小さな穴をたくさん開ける方法(腹腔鏡下卵巣多孔術)や、卵巣の表面を焼灼する方法(腹腔鏡下卵巣焼灼術)などがとられることが多いようです。

メリットとして、排卵が起こりやすくなる、排卵誘発剤が効きやすくなる、卵巣過剰刺激症候群のリスクを回避できる、などの長所がありますが、効き目には個人差がある上、術後半年~1年半ほどで元に戻ってしまうため、有効性を疑問視する医師も少なくないようで、評価が分かれている治療方法ではあります。

入院期間は、個人差がありますが(他に不妊因子があれば同時に治療する場合もあり、また術後の経過も人によって多少差があるため)、おおよそ3日~1週間程度であることが多いようです。

おわりに

多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害が起きていても、治療法によって排卵をコントロールすることもできます。放置することで症状が悪化し、いざ妊娠したいとなったときに長期間の治療が必要だったり、強い薬を使わなければいけなくなったりするのは避けたいですよね。女性にとって妊娠や出産はライフプランに関わることですから、気になる症状が出ていたら早めに病院を受診しましょう。

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参考サイト

嚢胞性卵巣症候群(PCOS)|聖マリアンナ医科大学病院 生殖医療センター

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