【医師監修】おたふくかぜの症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

監修医師プロフィール:山中岳先生の写真山中岳 先生

平成8年医師免許取得 東京医科大学病院小児科。

子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験する医師。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの資格を所持。日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行っています。

http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/shoni/staff/294.html

風邪の症状

おたふくかぜは子どもがかかりやすい病気としてよく知られている病気の一つです。子どものときにかかったことがあるという人も多いでしょう。
しかし、この「おたふくかぜ」実は大人でも発症することがあります。
子どもでも大人でも危険性のある「おたふくかぜ」その詳細を調べてみました。

おたふくかぜについて

耳した

おたふくかぜの正式名称は「流行性耳下腺炎」。耳の前下にある唾液腺である耳下腺や顎(がく)下腺が腫れることで丸顔のおたふく面のようになるので、おたふくかぜと呼ばれています。一般的には幼少期に発症する場合が多いですが、成人でもかかる場合があります。しかも、大人に感染するほうが重大な合併症を引き起こす可能性があるといわれているため、大人もおたふくかぜには細心の注意が必要です。

おたふくかぜの症状

おたふくかぜは、ムンプスウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで発症します。ウイルスに感染すると2〜3週間の潜伏期間のあと、発熱、耳の下の腫れや痛みが現れます。子どもの場合は、これらの症状のみの場合が多いですが、大人では重症化しやすく、合併症もでやすいといわれています。
また、頭痛、腹痛、嘔吐(おうと)、食欲不振なども症状の一つです。しかし、感染しても約30%の人はまったく症状のでない不顕性感染といわれ、感染しているかどうかの明確な判断は、抗体検査によります。通常は1週間程度で症状は治まるとされていますが、経過には個人差があります。

今までおたふくかぜにかかったこともなく、予防接種を受けたこともない大人が発症した場合は、40度を越す高熱になることもあり、高熱に伴いその他の症状も重くなります。主な合併症は、無菌性髄膜炎、難聴、脳炎、膵炎(すいえん)があげられ、頭痛や吐き気が認められたときは要注意です。また、意識障害やけいれんが認められる場合もあります。すぐに受診しましょう。
難聴は予後不良の合併症で、最近では1,000人に1人となり高頻度で発症していることが分かってきました。難聴は不可逆性です。特に入院治療が必要になる無菌性髄膜炎は、感染者の約1〜2%の割合でみられるため注意が必要です。

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おたふくかぜの診断基準

診察では、おたふくかぜの主な症状である、耳下腺の腫れや痛みを確認します。また、発熱の有無についても確認しますが、発熱しない場合もあるので、これだけで判断することはできません。
自覚症状については、食事のときに痛みが発生するかをチェックします。特に固形物や酸味の強いものを食べた際に痛みが増すとされています。
しかし、おたふくかぜは化膿(かのう)性耳下腺炎、反復性耳下腺炎、唾石症と似ているため、見た目や自覚症状のみで必ずしもおたふくかぜだと断定することはできません。
そこで、おたふくかぜであると確定診断をするためには、ウイスル分離をして調べる必要があります。
ウイルス分離は唾液を検査して行う方法です。ここでウイルスが検出されれば確定診断することができます。しかし、唾液を検査してムンプスウイルスが検出されれば、症状とともにおたふくかぜだと確定診断できるのですが、ウイルスを検出するのは難しいのが現状です。
また、ウイルス分離での検査結果がでるまで1〜2週間と時間を要するため、一般的には血清学的にムンプスの抗体値を調べるウイルス抗体検査を行って診断します。

おたふくかぜになる原因

ムンプスウイルスの感染力はとても強く、感染者のくしゃみやせきからの飛沫(ひまつ)感染と、感染者やウイルスの付着したものへの接触による接触感染で感染します。主に家族間や保育所、幼稚園、小学校など子ども同士が密接に接触するところで流行します。ムンプスに対する免疫がなければ、同居家族で97.5%、学校・幼稚園などの集団クラスでは90%近くが感染するとの報告もあります。

おたふくかぜの治療法は?

シップ

特別な治療法はありません。症状や合併症に応じて、治療します。耳下腺の腫れや痛みに対しては、解熱鎮痛剤内服を使用することもあります。湿布などを貼ってもかまいませんが、それほど効果はないようです。痛みが強い場合は、唾液がでやすくなる酸っぱいものや果汁は避けたほうがよいといわれています。主に対症療法(解熱鎮痛剤内服、局所の冷湿布)で経過をみるのが一般的です。髄膜炎合併例に対しては安静と、脱水がみられる場合は輸液療法を行います。

    
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おたふくかぜの予防について

現在ムンプスウイルスに有効な治療薬はなく、おたふくかぜに感染したら対症療法が基本になります。そのため、まずはおたふくかぜに感染しないことが最も大切です。おたふくかぜの唯一の予防方法はワクチン接種です。ムンプスには不顕性感染があり、ワクチンが唯一の効果的な予防法です。
ワクチンの副反応としては、接種後2週間前後に軽度な耳下腺腫脹(しゅちょう)と微熱がみられることが数%あります。重要なものとして、無菌性髄膜炎があるが、一般的には予後は良好です。ワクチンによる髄膜炎発症の頻度は、0.1〜0.01%といわれ、これに対して自然感染の髄膜炎合併は1〜10%といわれています。

ちなみに、もし、むかしにムンプスに羅患していて身体の中に既に抗体を持っている人がワクチンを打ったとしても、副反応が強くでることはありません。

ワクチンの費用は?

おたふくかぜのワクチンは任意接種のため、ワクチンの費用も約5,000円~9,000円と病院によって差もあり、日本人のおたふくかぜワクチンの接種率は決して高くはありません。

しかし、現在おたふくかぜのワクチン接種に対する公費補助を行っている自治体も多く、無料でワクチン接種が可能な病院もあります。

ワクチンは必ず必要?

任意接種のおたふくのワクチン。ならそんなに必要性はないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし症状の章でお伝えしたように、大人がかかるには恐ろしい病気です。
おたふくかぜの合併症の恐ろしさとワクチン接種で得られる効果を考えれば、おたふくかぜのワクチン接種を受けることが望ましいといるでしょう。

特に妊娠中のパートナーがいる場合、おたふくかぜが感染することで流産の危険性もでてきます。おたふくかぜになる前にワクチンをきちんと打っておくことがとても重要です。

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