【医師監修】アスペルガー症候群の症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

監修医師プロフィール:山中岳先生の写真山中岳 先生

平成8年医師免許取得 東京医科大学病院小児科。

子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験する医師。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの資格を所持。日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行っています。

http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/shoni/staff/294.html

アスペルガー症候群の症状・診断基準・原因・治療・予防・入院の必要性

アスペルガー症候群について

アスペルガー症候群のイメージ

近年、「アスペルガー症候群」などの発達障がいという概念が注目されるようになってきています。「コミュニケーションがうまく取れない」「空気を読めない」「悪意はないのに人を怒らせてしまうことが多い」などといった症状を認め、以前は「性格の問題」と片づけられてしまうことも多かったのですが、脳と関連のある障がいであることがわかってきています。

アスペルガー症候群の症状

脳障害

症候群とはいうものの病気ではなく『発達障がい』という特性の一つと位置付けられています。発達障がいのなかには、自閉症、注意欠陥・多動性障がいADHD)、学習障がい(LD)など複数あり、おのおのは少しずつ重なりあっているものであることから、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム(=連続体)という発達障がいをひとくくりにした、カテゴリーのなかの一つに分類されるようになりました。

アスペルガー症候群の診断基準

聴診器とブロック

以下のような状態が認められた場合、アスペルガー症候群である可能性が考えられます。

社会性の低下

社会生活や職業生活において著しい困難が生じていること。アスペルガー症候群の診断では、脳をレントゲンで診るような治療とは違い、器質的な部分よりもむしろ患者さんの内面をチェックして診察を行います。幼少期の生活や行動、言葉に対する反応、思考パターン、発話の仕方や理解力などを総合し、自閉症などと比較して判断をします。検査をすればそれで明らかになるというものではなく、状態(行動)と生育歴を診断基準に照らし合わせていきます。

しかし年齢が上がるほど、幼いころの記憶は不正確になりがちであるため、母子手帳や育児記録、学校時代の通信簿などの資料が助けとなります。患者さんがどのように育ち、どのような特徴や困難を抱えているか把握していきながら、診断となるポイントが当てはまるかどうか見極めをつけていく作業を行います。

また、アスペルガーであるかという判断と同時に、ADHD(注意欠陥多動性障がい)などの障がいがあるか、トゥレット障がいなど合併症を発症しているかについてもチェックを行い、初診から2回、3回と続けて診察を継続する場合もあります。

言語発達は正常

具体的には2歳までに一つ以上の言葉をはなし、3歳までに2語文をはなしているとき、遅れがないと判定する。同様の症状で、言葉の遅れが認められる場合には高機能自閉症が疑われる。

知能の低下は認めない

通常、IQ70以上を基準とします。それどころか、単純な知能指数(IQ)だけを見た場合、通常よりも高い場合があります。

その他の面で発達の遅れがない

身の回りのことを自分でする自己管理能力、危険を回避しつつ自分の欲求を満たす適応行動、子供のころにおいては周囲への好奇心が、年齢相応に認められる。

人付き合いが下手

相手と程よい距離感を取ってコミュニケーションを取れない。
場にふさわしくない表情をしてしまう。相手との距離感が妙に近すぎる。
アイコンタクトが取れない。行間が読めない。といった、対人関係においての障がいが認められます。

想像力に乏しい

人付き合いが下手という理由の一端でもありますが、相手の立場になって、考えることができません。

こだわりが非常に強い

これを自分の強みにしている方も多いですが、悪い方向に向いてこだわりが強すぎて、人とトラブルになったりしてしまうことがあります。

不器用・運動が苦手

細かい作業ができない、運動が苦手という場合があります。

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先天的なアスペルガー症候群になる原因

遺伝子イメージ

アスペルガー症候群の原因は、医学が進んだ現代社会においても不明です。「自閉症」が初めてとりあげられたころは、「育て方に原因がある」「愛情不足が自閉症を作る」などいわれていましたが、現在では、両親の育て方の影響は否定されています。いまだにこの誤解が残っていて、不要な罪悪感を持っている両親が多いのも事実です。

親からの遺伝も考えられていますが、親子で性格が似ていたり、言動が似ていたりするためだとも考えられるので、判断が難しいです。コミュニケーションや想像力の欠如などの症状から、脳機能の障がいも原因として考えられています。妊娠中や出産直後に脳に障がいを負ったのではないかと考えられていますが、確定的な原因は、先にもあげたとおり、不明のままです。

アスペルガー症候群の治療法は?

看護師と患者

アスペルガー症候群は、先天的な障がいと捉えられています。そのため薬などで完治(根元を治すことはできない)する病気ではありません。
そのため、本人が困っていないなら、診断を受ける必要はありませんが、本人が困っている場合は、アスペルガー症候群だと診断を受けることをおすすめします。なぜなら、さまざまな適切なサポートが受けられるようになるからです。

また、患者さん本人がアスペルガーであると認識できれば、社会生活にも溶け込みやすくなるでしょう。「療育」「心理療法」などと呼ばれる対処を続けることによって、集団生活における適応能力が高まることが期待されています。

アスペルガー症候群を患っている方のなかには、イライラが増してきたり、夜寝つきが悪かったりといったトラブルを抱える場合があります。そのような場合は向精神薬や精神安定剤、睡眠薬などを処方されることがあります。これらは対症療法であり、症状を完全に治すわけではありません。 アスペルガー症候群に対処するには、療育や心理療法が効果的といわれています。

それらの処置を行うにあたって、まずは保護者や周囲の人がアスペルガーの方の気持ちを理解することが重要になってくるのです。

アスペルガー症候群は、知能が正常(もしくは高い)で、言語発達も正常なので、社会性低下が個性やわがままであると捉えられやすく、周囲のサポートの重要性が軽視されがちです。なぜそのような行動・言動をしてしまうのか、周囲が理解しないといけません。

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漢方薬にハマっている21歳。昨年友人が出産したことをきっかけに、育児のお役立ち情報をリサーチしています。

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