妊娠初期に関するQ&A 教えて!たまgoo!

妊娠初期に関するQ&A 教えて!たまgoo!

妊娠初期から出産までの感動的な妊娠生活が始まります。また、胎児の臓器のほとんどが完成させる大事な時期となるので注意しなければいけないことがたくさんあります。妊娠初期の基本的な知識を備えながら快適に過ごすようにしましょう。

たまgoo!では、杏林大学医学部付属病院と共同で、妊娠初期に関するQ&Aをお届けいたします。

Q1

妊娠の診断はいつからできますか?

喜ぶ夫婦

妊娠は受精卵の着床から始まります。
妊娠が成立すると尿中にhCGというホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が検出されるようになります。妊娠4週でおよそ50 IU/l(国際単位/L)となりますが、妊娠検査薬で検出するのがこのhCGで、陽性と判定されるレベルが一般には50 IU/lです。
したがって、最終月経の開始日から4週、排卵後2週ほどで妊娠と診断されるようになります。

もっとも、月経周期が不規則な場合はずれが出る場合がありますので、陰性であったとしても検査陽性になるレベルまでhCGが上昇していないこともあり、再検査が必要になります。
最近ではhCGを20 IU/lで検出できる検査キットもあり、最終月経の開始日から4週以内に妊娠反応陽性と判定されることもあります。

超音波断層法では胎嚢がまず確認されるようになります。胎嚢とは胎児を包み込む袋のことですが、妊娠5週で96%、妊娠6週でほぼ100%確認できます。
妊娠反応が陽性と判定され、最終月経から5~6週で胎嚢が確認されなかった場合は化学的妊娠や異所性妊娠を疑います。化学的妊娠は受精卵が着床後に流産に至った場合です。
この場合には妊娠反応が一旦陽性になっても次第にhCGが測定感度以下になり陰性と判定されるようになります。

Q2

妊婦の体の変化と赤ちゃんの成長は?

検査薬をチェック

妊娠7週になると四肢の区別がつくようになり、妊娠15週(4か月)になるとほぼ全ての臓器が形成され、外観もヒトらしくなります。この時の体重は100gほどです。

妊娠20週(5か月)になると妊婦は胎動を感じるようになります。この時の体重は250gほどです。

妊娠23週(6か月)になると胎児の体重は650gほどになります。爪や頭髪も認められます。
妊娠27週(7か月)になると胎児の体重は1000gほどになります。胎児は肺の細胞で界面活性物質を作るようになり、出生後の自力呼吸の準備を始めます。

妊娠31週(8か月)になると胎児の体重は1500gほどになります。胎児は皮下脂肪がつき、丸みを帯びてきます。うぶ毛も目立ちます。
妊娠35週(9か月)になると胎児の体重は2000gほどになります。胎児の成長に合わせて妊婦の体型や生理状態も変化します。

妊娠15週(4か月)頃には子宮は小児頭大となり、恥骨を越すほどになります。
妊娠20週(5か月)になると子宮は成人頭大となり、外見上も腹部の膨らみが分かるようになります。乳首にも変化が現れ、暗褐色になります。

妊娠23週(6か月)になると子宮の底部を臍付近で触れるようになります。また増大した子宮により便秘になりやすくなります。
妊娠27週(7か月)になると弱い子宮収縮を自覚するようになり、その頻度が段々増してきます。

妊娠31から32週(8か月)になると子宮の底部は剣状突起と臍の中間付近まで達します。
妊娠35週(9か月)になるとリラキシンというホルモンが増え、骨盤の結合部分が緩んできます。これは分娩に備えるためですが、痛みを伴うこともあります。外見の変化以外で特に顕著な変化として血液量は1.5倍にまで増加します。

Q3

妊娠を知らずに薬を飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?

薬を飲む妊婦

妊娠初期は薬剤の胎児への影響が最も心配される時期です。主要な臓器が形成される胎芽期から初期胎児期で薬剤に暴露されることで、奇形が生じることがあります。
ただし全ての薬物で影響が出るわけではありませんし、悪影響を起こす薬剤もそれほど多くはありません。

一般に妊娠を知らずに服用した場合の相談事例が多い薬剤は感冒薬や解熱鎮痛剤、咳止め薬です。
感冒薬には解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)と抗ヒスタミン薬(プロメタジン)、そしてカフェインなどが含まれています。アセトアミノフェンは胎盤を通過しますが、少量(通常量)短期間の使用では安全とされています。抗ヒスタミン薬のプロメタジンは奇形の頻度は上昇しませんが、ヒト胎児への影響調査が十分でないため妊娠の可能性がある女性には投与しないことが望ましいとされています。

咳止め薬にはメジコンというお薬がよく使用されますが、これは安全とされています。このように一般の感冒薬の服用では奇形の頻度は増加しないと思われます。
妊娠初期に避けたい薬剤に関しては、持病のためもともと妊娠前から服薬していたものが問題となります。

代表的な薬剤としては抗高脂血症薬、抗がん薬、ホルモン薬、抗甲状腺薬、抗凝固薬、ビタミンA、特定の抗菌薬・抗ウイルス薬です。
もっとも、これらの薬を服用しても100%影響があるわけではありません。一般集団でも2〜数%の頻度で奇形は発生します。主治医や専門医に薬の胎児への影響をご相談ください。

Q4

妊娠初期に避けたい食べ物はありますか?

ビタミン

胎児への悪影響(例えば奇形の発生)を考える上で避けたい食べ物はほとんどありませんが、食品の中には我々が思いもしなかった物質が含まれていることがあります。
例えばビタミンA自体は有害物質ではありませんが過剰だと胎児に奇形が生じる恐れがあります。ビタミンAは動物(豚や鳥)のレバーや鰻に多く含まれています。妊娠中にはビタミンAの摂取は必要ですが、上記の食品のとりすぎには注意しましょう。

代わりに緑黄色野菜に含まれるβカロテンで補充を心がけると良いでしょう。βカロテンはビタミンAに変換されます。
またひじきにはヒ素が含まれて、奇形や脳障害の発生要因となります。妊娠初期に限らず妊娠中はひじきの過剰摂取は控えましょう。

金目鯛やマグロには水銀が含まれています。水銀は胎盤を通過し胎児の脳に蓄積し、障害を起こすことが知られています。金目鯛1切れやマグロ1人前を週に一度くらい食べるのが無難なラインでしょう。これ以上食べると水銀の過剰摂取につながる可能性があります。詳しく厚生労働省のホームページに掲載されています。

カマンベールチーズなどの発酵食品にはリステリア菌がふくまれていることがあり、流産の原因となります。
カフェインの多量摂取と流産との関連が指摘されています。コヒーの飲み過ぎには注意しましょう。
また妊娠期間を通じて食事の摂取制限は胎児に悪影響を及ぼし、児の将来の生活習慣病に関連することが知られています。食べ過ぎも問題ですが、食べなさ過ぎも問題です。バランスの良い食事を心掛けましょう。

Q5

妊娠初期の出血の種類と対処法を教えてください。

妊娠検査

妊娠22週までに子宮口が閉鎖しているが出血を来す場合を切迫流産と呼びますが、切迫流産の診断に腹痛の有無は問いません。
妊娠初期、特に12週までの切迫流産に対しては有効な治療はありません。

初期流産の約半数は染色体異常が原因だとされ、何をしても流産に至ってしまいます。胎児の染色体が正常核型では何らかの治療で流産を回避できる可能性もありますが、有効性が示されている治療はほとんどありません。

したがって、安静を指示し経過を観察するのが一般的な対処法となります。併せて、薬物治療も行うことがあります。保険適応が認められている薬剤としてはダクチル(ピペリドレート塩酸塩)、プロゲステロン製剤です。しかしながらはっきりとした流産予防効果は示されていません。またトランサミン(トラネキサム酸)やアドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム)という止血薬を使用する場合もありますが、効果に関する根拠に欠けます。

これの止血薬は保険適応外となりますので、主治医と相談しての使用となります。
切迫流産の患者さんの中には習慣性流産と診断され、その後検査で抗リン脂質抗体症候群と診断されている場合もあります。このような患者には抗凝固療法が有効だとされています。

Q6

つわりがひどく、赤ちゃんに栄養がいっているか不安です。

体調が悪い女性

胎児の発育には母体から供給される物質が不可欠です。つわりになると極端に食事摂取量が減るため、胎児に悪影響を及ぼすことがあります。
動物実験レベルではある種の微量元素、例えば鉄の摂取ができないと胎児は将来高血圧症になったり、腎機能障害になったりします。

亜鉛が不足すると胎児は出生後に肥満になったりします。葉酸の摂取不足は2分脊椎症を引き起こすことが知られていますが、脳細胞(海馬)に悪影響を与え、児の認知機能が低下します。
これらは極端な例ですが、ヒトにも同様のことが起こる可能性はあります。そのため、つわりが長引く時には炭水化物などの主要なエネルギー源に加えて、微量元素やビタミン類も補充する必要があります。

ビタミンB1は解糖系の補酵素で、これが欠乏すると母体にウェルニッケ症候群という病気を引き起こすことがあり、これは不可逆性です。ビタミンB1は母体から供給されるため、欠乏時には胎児にも脳障害を引き起こすと考えられます。これらの悪影響を引き起こさないためには何より予防が大事ですので、通院あるいは入院して必要量のエネルギーや微量元素、ビタミン類の補充を行いましょう。

Q7

風疹やおたふく風邪などの感染症にかかってしまった場合赤ちゃんへの影響は?

体調が悪い女性

妊婦が風疹に対する抗体を持っていなかったら妊娠初期の感染で胎児に影響が出てきます。
具体的には白内障、緑内障、先天性心疾患や難聴が引き起こされます。妊婦が風疹に罹患し出生児がこれらの病気を持つ場合を先天性風疹症候群と呼びます。

この先天性風疹症候群の発症率は罹患時の週数によって違いがあり、妊娠1ヶ月以内なら約50%、妊娠2ヶ月以内なら20~30%、3ヶ月以内なら5%となります。妊娠20週以降(5ヶ月以降)は風疹に罹患しても先天性風疹症候群の発症頻度は少ないと言われています。

このようにほとんどが妊娠2ヶ月までの感染で問題となります。また罹患時の週数で影響を受ける臓器にも違いが出てきます。白内障は妊娠2ヶ月以内が多く、先天性心疾患は3ヶ月までの罹患の場合に多く認められます。

ただし難聴の場合には妊娠2ヶ月以降でも発症する可能性があります。中には出生直後の聴力検査では異常を認めない新生児に、遅れて難聴が認められるようになることもあるようです。
したがって妊娠期間中のいかなる時期の感染でも胎児に悪影響を及ぼすことがあるため、主治医によく相談する必要があります。一方、おたふく風邪では風疹のような先天性異常が生じる恐れはありません。

Q8

お腹も大きくないのに腰痛があります。なぜですか?

腰痛の女性

妊娠初期に痛みを自覚する場合にはまず切迫流産や異所性妊娠、卵巣出血、卵巣腫瘍の捻転を疑います。
切迫流産では月経痛と似たような痛みが生じる場合があります。異所性妊娠や卵巣出血では腹腔内に出血するため、激しい痛みが生じます。

卵巣腫瘍が捻転を起こすと、卵巣への血流障害が起こり、引き続き強い痛みが生じます。

これらは病的な腹痛ですが、異常な病態を伴わないのに腹痛を自覚される方もいます。多くの場合、下腹部の弱い痛みと同時に下腹部の張りや鼠蹊部の痛みを訴え来院されます。
今まで小さかった子宮が増大することで子宮を覆っている腹膜が進展されることや、子宮を懸垂あるいは支持している靭帯に負荷がかかることが痛み刺激を生んでいるのかもしれません。

痛みの自覚は人それぞれですので、まず診察を受けることが大事です。そして先に挙げた産婦人科的な病気を除外してもらいましょう。
腹痛の中には産科的な病気以外に、泌尿器科的な病気(結石など)や外科的な病気(虫垂炎)が潜んでいる場合もありますので、何れにせよ慎重な対応が求められます。

Q9

妊娠初期のセックスは控えるべきですか?

眠る夫婦

異常が無ければセックスを控える必要はありませんが、いままで流産を繰り返していた場合や現在出血を認める場合には控えていた方が無難でしょう。
妊娠初期に関わらず、中期や後期においてもセックスをことさら控える必要はありません。

これまでの研究では早産になりやすいだとか、陣痛が起きやすくなるという報告はないようです。ただし複数を相手にセックスをすると早産になりやすいようです。
不特定多数を相手とする性行為では感染症のリスクが増し、これが早産を惹起していると考えられます。

Q10

妊娠初期に流産しないか不安です。気をつけることは?

タバコを吸う女性

目立った合併症のない妊婦で流産を防ぐために特別気をつけることがあるわけではありません。しかしながら、喫煙習慣などがあればやめましょう。喫煙は流産、異所性妊娠のリスクです。
精神的ストレスも免疫力の低下を招き、流産の原因になります。職場ないし家庭内でストレス軽減が流産を防ぐことにもつながります。また妊娠すると母体の酸化ストレスが増し、流産の原因のひとつになっていることも報告されています。ビタミンCやE、ポリフェノール類を含んだバランスの良い食事の摂取は流産を減少させるかもしれません。

さて妊娠の15%前後は流産に至るとされていますので、数多くの女性が経験することになります。
「流産に関するQ&A」の項で説明しましたが、胎児の染色体異常が最も多い原因です。
これはほとんどが突然変異によるもので、次回妊娠にはあまり影響はしません。染色体異常除いた場合で流産に至ってしまう疾患群には抗リン脂質抗体症候群関連や内分泌異常があります。

抗リン脂質抗体症候群関連の流産、死産の予防にはアスピリン・ヘパリン療法が有効であるとされ、検査で抗リン脂質抗体症候群の診断基準を満たせば妊娠初期から治療を開始します。
内分泌異常である糖尿病では血糖値の是正で流産率が下がります。甲状腺機能異常では機能低下症で流産率が上昇するとされていますが、甲状腺ホルモン値を正常化することで流産を防げる可能性があります。
したがってしっかりと治療を行うことが流産を防止する上で最も大切になります。

杏林大学医学部付属病院は、女性の生涯を通しての健康をサポートし、きめの細かい医療サービスを提供する理念のもとに、多摩地区の拠点病院として産婦人科の3大領域である、周産期医療、婦人科腫瘍、生殖医療のすべてにおいて高度な医療提供体制を備えています。外来においては通常の外来の他に、各専門医(指導医)が中心となって臨床遺伝外来、腫瘍外来、不妊・内分泌外来といった特殊外来を行っています。

この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。

アプリで
たまGoo! がもっと便利に

iPhone,AndroidのアプリでたまGoo!が便利に。

たまGoo!が便利なアプリになりました。
ちょっとした時間にチェック、電車の中でもサクサク快適。
たまGoo!をより近くに感じてください!

トップへ戻る