流産に関するQ&A 教えて!たまgoo!

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流産に関するQ&A 教えて!たまgoo!

はおなかの赤ちゃんが育たなくなってしまい妊娠を継続する事ができない状態のことをいいます。妊娠中は思わぬトラブルに見舞われるケースがたくさんあります。残念なことに妊娠中の流産は決して珍しいことではないのです。

たまgoo!では、杏林大学医学部付属病院と共同で、流産に関するQ&Aをお届けいたします。

Q1

流産してしまう原因は何ですか?

排卵日

妊娠しても流産や死産を繰り返す場合を不育症と言います。不育症の最も多い原因は胎児染色体異常で40%を占めます。次に多いのは夫婦染色体異常で10%、抗リン脂質抗体症候群関連が9%、内分泌異常が6%、子宮奇形が6%です。

不育症の25%は原因がよくわかっていません。生命維持に必要な遺伝情報がたくさん含まれている染色体に数の異常などがあると致死性となり流産にいたると言われています。

染色体異常を除いた場合には原因が判明している疾患群では抗リン脂質抗体症候群関連と内分泌異常が上位を占めます。内分泌異常には甲状腺機能低下症、糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)が含まれます。これらは適切な治療を行うことで、流産率が下がります。抗リン脂質抗体症候群関連の流産、死産の予防にはアスピリン・ヘパリン療法が有効であるとのエビデンスがあり、検査で診断基準を満たせば妊娠初期から治療を開始します。

子宮の奇形には双角子宮,中隔子宮,単角子宮,重複子宮などがありますが、超音波断層法や子宮卵管造影、MRI検査で診断します。しかしながらこれらの子宮奇形が診断され、奇形に対する手術を行っても必ずしも流産率が改善されるわけではありません。

Q2

妊娠何週目で流産する可能性がありますか?

妊娠初期の女性

通常妊娠4週で妊娠反応が陽性となります。通常ならば妊娠5週には胎嚢(たいのう)が子宮内に確認されます。胎嚢が確認されてから妊娠がうまくいかなかった場合をいわゆる「流産」と呼んでいますが、妊娠反応が陽性となっても胎嚢が確認されないまま妊娠を終えることもあり、このような妊娠を流産とは別に「化学的妊娠」と呼んでいます。

このような化学的妊娠は絨毛(じゅうもう)から産生されるヒト絨毛性ゴナドトロピンを妊娠極早期から検出できるようになったことで分かるようになりました。実際には月経が遅れて発来したケースの中にも多くの化学的妊娠が含まれているようです。

妊卵がして早期に(胎嚢が確認されない時期に)妊娠が終結してしまう化学的妊娠を考慮すると、流産率はもう少し上昇するものと思われます。このように着床して早期(4〜6週)から流産に至る可能性があります。

稽留流産(けいりゅう)の場合は多くは妊娠6週以降で、胎嚢と胎芽が確認されても、その後ヒト絨毛性ゴナドトロピンが上昇せず、胎芽の発育も停止し、心拍も確認されない場合を言います。

また抗リン脂質抗体症候群関連の流産では胎盤の形成過程で血栓が作られ、絨毛間腔の血流障害を起こして流産に至ると考えられていますが、妊娠10週を越して胎児心拍がはっきり確認された後でも起こります。流産を含んだ死産のほとんどは妊娠14週までに起きます。

Q3

流産の兆候や症状はどのようなものですか?

体調が悪い妊婦

一般的な流産兆候は出血や出血を伴う生理痛様の痛みです。進行流産に至る前のいわゆる切迫流産であれば、極少量の出血しか認めないこともあります。子宮頸管の開大を伴う進行流産になると最終的には妊娠産物が排出されてしまいます。

この時は切迫流産の時よりも多くの出血を認め、生理痛よりも強い痛みを伴います。進行流産を経て妊娠産物が完全に排出された場合を完全流産と言いますが、この場合は子宮内容が完全に排出された後なので出血は次第に少なくなります。

妊娠産物の一部が子宮内に残っている不全流産の場合には、性器出血がだらだら持続し、中には子宮内膜などの感染症を併発することもあります。感染症を併発すると悪露(おろ)が膿交じりとなり、腹痛や発熱が現れます。さらにひどくなると敗血症性流産となり、血圧低下や出血傾向を来たします。稽留流産の場合には妊娠初期に見られる“つわり”を認めなかったり、“つわり”が消失したりすることもあります。

稽留流産の場合でも子宮内容除去を行わなければ進行流産や不全流産に至ります。妊娠反応が陽性となっても胎嚢が確認されない「化学的妊娠」では自覚に乏しく、月経が遅れたくらいにしか感じられません。

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Q4

流産を防ぐにはどうしたらよいですか?

染色体

染色体異常が最も多い原因と説明しましたが、これはほとんどが突然変異によるもので、次回妊娠にはあまり影響はしません。しかしながら2回以上の流産既往のある夫婦の5%程度で均衡型染色体異常が見つかります。夫婦の染色体異常を治療することはできませんが、均衡型転座患者の妊娠成功率は最終的には染色体正常と変わらないと報告されています。

染色体異常除いた場合で原因が判明している疾患群には抗リン脂質抗体症候群関連や内分泌異常があります。内分泌異常には甲状腺機能低下症、糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群が含まれます。抗リン脂質抗体症候群関連の流産、死産の予防にはアスピリン・ヘパリン療法が有効であるとされ、検査で抗リン脂質抗体症候群の診断基準を満たせば妊娠初期から治療を開始します。

糖尿病では血糖値の是正で流産率が下がります。甲状腺機能異常では機能低下症で流産率が上昇するとされていますが、甲状腺ホルモン値を正常化することで流産を防げる可能性があります。多嚢胞性卵巣症候群でははっきりした流産予防法はありませんが、糖代謝異常を伴うことも多く、糖代謝異常に対する治療が流産率を減らす可能性はあります。

子宮の奇形には双角子宮,中隔子宮,単角子宮,重複子宮などがありますが、奇形に対する手術を行っても必ずしも流産率が改善されるわけではありません。また妊娠自体が母体に酸化ストレスを生み、母体の抗酸化物質が消費されます。

これが流産の原因の一部になっていることも報告されています。特定の抗酸化物質の服用で流産率が下がることはまだ明らかになっていませんが、ビタミンCやE、ポリフェノール類を含んだ食事の摂取は推奨できます。また神経管閉鎖不全の予防として葉酸の摂取は推奨されますが、流産も減少するとされています。

Q5

流産には主にどんな種類がありますか?

排卵日チェック

妊娠極初期で胎嚢が確認される前に妊娠が終わってしまうものを化学的流産と呼びますが、化学的妊娠と同じ意味です。妊娠6〜7週で胎嚢は確認されても胎芽が確認されないものは枯死卵(こしらん)とも呼ばれ、稽留流産の一種です。妊娠8週で、胎嚢と胎児が確認されても、心拍動を認めないものを稽留流産と言います。

妊娠8週以降で以前確認された心拍動が消失したものは子宮内胎児死亡と呼びます。これは妊娠8週から胎芽と胎児を区別するためです。症状や兆候によっても流産の呼び方が違います。性器出血があり、流産するかもしれない状態を切迫流産と呼びます。

出血と腹痛を認め、子宮頸管が開大してくる状態を進行流産と呼びます。このようになると流産は避けられません。進行流産の後に妊娠産物が全て排出された状態を完全流産と呼びます。一部分の妊娠産物が未だ排出されていない状態は不全流産と呼びます。

稽留流産と診断された場合、多くの事例で出血も腹痛も認めない状態があります。症状や兆候的には切迫流産や進行流産とは呼べません。しかしながら、子宮内容除去しなければ、その後に性器出血や腹痛を伴い、進行流産の状態になります。

Q6

流産後は妊娠しやすいというのは本当?またどれくらい期間を開けて妊活(性交渉)をしていいですか?

夫婦生活

流産後に特に妊娠しやすいということはありません。妊娠が成立しなければ子宮内膜の機能層は脱落し、いわゆる月経が起こります。流産も同様に妊娠産物と一緒に子宮内膜(脱落膜)の機能層が自然にあるいは人工的に脱落します。その後はまたが起こり、子宮は着床に備えて子宮内膜が変化していきます。一般の出産後には乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンが多量に分泌されます。

これは下垂体からの性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン;黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑制するため排卵が起きないようになり、無月経となります(授乳性無月経)。また卵巣機能が抑制されますのでエストロゲンやプロゲステロン値も下がり、子宮内膜も肥厚しません。

授乳期間が短いとプロラクチンの分泌が少なくなりますので、月経発来が早くなり、2~4ヶ月で月経が再来します。流産の場合は妊娠初期であり、プロラクチンはあまり上がりませんので排卵は抑制されません。したがって早ければ流産後1ヶ月で月経が再来します。この流産後初回の月経は無排卵性月経であることも多いです。

挙児希望が強い場合の流産後の性交渉の再開時期に関しては、初回月経が無排卵性である可能性を考慮すれば、第2周期以降の方が確実性は上がります。ただし、流産の原因によっても対応が異なってきます。流産後に子宮内膜炎を起こしたような症例であれば月経の再来と炎症反応が確実に消失していることを確認してからの性交渉が望ましいでしょう。

Q7

流産後の生理再開はいつからですか?

お腹に手をあてる女性

Q6で説明したように、通常の出産後には乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンが多量に分泌されます。プロラクチンは下垂体からの性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン;黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑制するため排卵が起きないようになります。

排卵が起きないため月経は起こりません。これを授乳性無月経と呼びます。授乳期間が短いとプロラクチンの分泌が少なくなりますので、月経発来が早くなり、2~4ヶ月で月経が再来します。断乳後ではすぐにプロラクチン値が下がりますので、1ヶ月足らずで月経が再来することもあります。

流産の場合は妊娠初期であり、そもそもプロラクチンはあまり上がっていません。したがって排卵は抑制されません。その結果早ければ流産後1ヶ月で月経が再来します。排卵は抑制されませんが流産後初回の月経は無排卵性月経であることも多いようです。

Q8

流産したら出術は必要ですか?その場合保険は適用されますか?

妊娠検査する女性

人工流産以外は保険適応になります。人工流産は自費診療になります。流産手術の必要性に関しては病態や兆候で異なります。妊娠極初期の化学的流産では特に処置の必要性はありません。妊娠6〜7週で胎嚢は確認されても胎芽が確認されない枯死卵(稽留流産の一種)では、子宮内容除去という手術を勧めます。

手術をしない場合、予期しない性器出血が起こること、出血が長引くこと、感染を起こし敗血症性流産に至ることなどの可能性が出てきます。妊娠8週で、胎嚢と胎児が確認されても心拍動を認めない稽留流産でも同様に手術を勧めます。理由は枯死卵と同様です。妊娠8週以降で以前確認された心拍動が消失したものは子宮内胎児死亡と呼びます。

この場合、妊娠8〜12週くらいであれば子宮内容除去を行います。胎児が大きくなってから(だいたい12週以降)確認された胎児死亡であれば、手術より薬剤投与による子宮内容の排出を試みます。人工的に子宮を収縮させ、妊娠産物を排出させます。処置を選択しなかった場合には週数が進んだ分だけ出血や感染のリスクが高まります。出血と腹痛を認め、子宮頸管が開大してくる進行流産の場合、流産は避けられませんので、そのまま子宮内容除去を行います。

処置をした方が良い理由として、遺残物があるとその後も出血が続き感染のリスクが高まるからです。妊娠産物が全て排出された完全流産の場合には手術をせずに様子を見ることもあります。ただし超音波検査で子宮内に遺残物がないことを確認しておく必要はあります。

一部分の妊娠産物が未だ排出されていない状態の不全流産では、内容物が多ければ子宮内容除去術を行います。少量であれば感染症の予防と子宮収縮剤で内容物の排出を促す内科的治療を行うこともあります。

Q9

流産を経験しましたが、次も流産してしまいますか?

安静にしている女性

流産の原因によって次回の妊娠予後は異なります。Q4で説明したように染色体異常が最も多い流産の原因です。これはほとんどが突然変異によるもので、次回妊娠にはあまり影響はしません。したがって次回必ず流産するわけではありません。

しかしながら2回以上の流産既往のある夫婦の5%程度で均衡型染色体異常が見つかります。夫婦の染色体異常を治療することはできませんが、相互転座患者の累積生児獲得率は最終的に染色体正常者と変わらないと報告されています。

抗リン脂質抗体症候群関連の流産の予防にはアスピリン・ヘパリン療法が有効であるとされ、検査で抗リン脂質抗体症候群の診断基準を満たせば妊娠初期から治療を開始します。適切な治療が初期から行われた場合、生児獲得率は70〜80%とされます。

このように内科的治療を行うことで流産率が下がる原因もあります。子宮の奇形による流産もありますが、奇形に対する手術を行っても必ずしも流産率が改善されるわけではありません。双角子宮に対する子宮形成術や中隔子宮に対する内視鏡的手術を行った後の妊娠率は60%前後とされますが、手術をしなくても70〜80%は最終的には妊娠したという報告もあります。

原因不明の場合、過去の流産率が2回なら次の妊娠で80%は妊娠に至ります。流産回数が増えると妊娠成功率は下がりますが、5〜6回の流産歴でも次回妊娠では50%は妊娠に至ります。

原因不明の流産患者の中では全例に胎芽もしくは胎児染色体検査が行われているわけではありません。原因不明と思われていた患者さんで、もし胎児染色体検査が行われて、結果が異常だった場合には、次回妊娠は成功する可能性が高いこともわかっています。

Q10

流産は子供に遺伝するものですか?

遺伝

不妊のカップルが原因の検査で、どちらかが均衡型転座と判明する場合があります。均衡型転座ですので、表現型は正常です(つまり普通ということ)。カップルのどちらかに均衡型染色体構造異常があると受精卵の核型に不均衡が生じ(不均衡型染色体構造異常)、このような場合は流産にいたることもあります。

また均衡型染色体構造異常を有するカップルの場合でも受精卵の核型が正常な場合と均衡型転座保因の場合もあり、この場合には流産には至らないことになります。子供が均衡型転座保因の場合、表現型は正常ですが均衡型転座保因者であり、そのような意味で親から受け継いだということもできます。

カップルのどちらかが均衡型染色体異常の場合、70%ほどは生児を得られますが、その50%程度は正常核型です。一般に遺伝性疾患と言われる疾患が必ずしも親から伝えられているわけではありません。

遺伝的には正常なカップルから突然変異として生まれることも多いのです。突然変異の児に与える影響が大きい場合には、次世代に命を伝えることが出来なくその児のみ罹患することになります。

著者紹介

杏林大学医学部付属病院

杏林大学医学部付属病院は、女性の生涯を通しての健康をサポートし、きめの細かい医療サービスを提供する理念のもとに、多摩地区の拠点病院として産婦人科の3大領域である、周産期医療、婦人科腫瘍、生殖医療のすべてにおいて高度な医療提供体制を備えています。外来においては通常の外来の他に、各専門医(指導医)が中心となって臨床遺伝外来、腫瘍外来、不妊・内分泌外来といった特殊外来を行っています。

公式サイト

杏林大学医学部付属病院

杏林大学医学部付属病院は、女性の生涯を通しての健康をサポートし、きめの細かい医療サービスを提供する理念のもとに、多摩地区の拠点病院として産婦人科の3大領域である、周産期医療、婦人科腫瘍、生殖医療のすべてにおいて高度な医療提供体制を備えています。外来においては通常の外来の他に、各専門医(指導医)が中心となって臨床遺伝外来、腫瘍外来、不妊・内分泌外来といった特殊外来を行っています。

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