不妊治療に関するQ&A 教えて!たまgoo!

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QA1

不妊症と診断された夫婦(あるいはどちらか)に対し、投薬や、高度生殖医療を利用することで、不妊の原因を取り除く治療のことを不妊治療といいます。

厚生労働省によると、不妊治療を受ける夫婦の数は平成12年で46万人以上、これからも増加すると見込まれます。不妊治療についてはまわりに打ち明けるのを悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

たまgoo!では、杏林大学医学部付属病院と共同で、不妊治療に関するQ&Aをお届けいたします。

Q1

不妊治療にかかる費用を教えてください。

費用

幾つかの治療がありますが、それぞれ治療費用は異なります。代表的な治療法として、タイミング法、人工授精体外受精、そして顕微受精があります。タイミング法とはを予測し、夫婦生活を行って妊娠を期待する治療です。

1周期あたりの費用は数千円(5千円〜1万円)です。妊娠に至らず、この治療を続けていくと次周期(次の排卵日)でも同額の治療費となります。人工授精は精子を採取し、これを排卵日に合わせて子宮内に注入し妊娠を期待する治療です。

1周期あたりの費用は1万円〜3万円です。体外受精は卵を採取し、容器の中で精子と受精させ、受精卵を子宮内にもどし妊娠を期待する治療です。この治療は採卵を行う作業や卵の培養、そして受精卵を戻す作業を含むため高額となります。一般的な額は30〜50万となります。顕微受精は文字通り顕微鏡下で卵を見ながら精子を卵の中に入れ受精させる治療です。

より高度な作業となるため、費用も一般的にはさらに40〜60万と高額となります。タイミング法以外は保険適応にはならず、自由診療となりますので治療費は高額となりまた施設別に多少異なります。

現在、各自治体で指定を受けている不妊医療期間で助成対象となる治療を受けた場合、医療費の助成金が支給されるようになりました。対象は体外受精、顕微受精と凍結胚移植です。ただし助成回数や所得によっても制限があるため、受診予定の医療機関や自治体の健康福祉関連の窓口にお尋ねください。

Q2

不妊治療はどこからが不妊治療になりますか?

不妊治療はどこからが不妊治療になりますか?

生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性行為を継続的に行っているにもかかわらず妊娠しない場合を不妊と言いますが、一定期間とは1年です。

従って一年を経て、医療機関を受診された時から広義の意味では不妊治療の開始とみなします。受診後にどのような治療が必要となるかのスクリーニング検査が始まります。これにはもちろん問診も含まれます。

女性側の不妊となる要因には大きく分けて内分泌因子、卵管因子や子宮因子がありますが、これらの中で何らかの原因が判明したらそれに応じた治療を行うことになるので、狭義の意味では原因が判明し治療計画を立てた時点からが不妊治療の開始とも言えるでしょう。

ただし、すぐに色々な治療が行えるわけではありません。スクリーニング検査として月経終了後に子宮卵管造影(子宮の形態異常や卵管の通過性を確認する検査)、排卵前にLHサージ検査(黄体化ホルモンが一過性に放出されるタイミングを捕まえること)、排卵日近くで卵胞の数や頸管粘液の検査、黄体期には子宮内膜の厚さ、高温相の持続日数、エストロゲンやプロゲステロン値測定などを行い異常の有無を検査します。

1周期(月経開始から次の月経まで)で全ての検査が行えるわけではありませんので、スクリーニングだけでも2~3周期必要になることもあります。従って治療を開始するまでには一定期間が必要になります。

Q3

男性側の不妊について 簡易的に調べられますか?

男性側の不妊について 簡易的に調べられますか?

子供をもうけたいカップルが不妊である割合は約10%と言われています。

その不妊原因に関して男性側だけに要因がある割合は約25%と言われています。女性要因ばかりではありません。男性要因は大きく造精機能障害、精路通過障害(そして性機能障害(射精障害や、勃起障害がこれに当たります)に分けられます。

造精機能障害の割合が最も多く、約80%を占めます。次いで、精路通過障害が約15%、精機能障害が約5%となります。一般に来院時に行う男性不妊検査には精液検査、採血による内分泌検査、精巣静脈瘤、陰嚢超音波検査などがあります。

これらは診察(視診や触診)、採血及び超音波断層法で行いますので、簡易的に行える検査と言っていいでしょう。精液検査と精巣静脈瘤検査は造精機能障害の有無が推定出来ます。

精液検査では性液量、精液のアルカリ度、精子濃度、総精子数、運動率、精子の奇形などが比較的簡単に検査出来ます。視診で陰嚢に精巣静脈瘤があるかどうかも診断できます。

陰嚢超音波検査では精巣の大きさや精子が通過する精管の詰まりの有無が簡易的に確認出来ます。超音波カラードップラー検査を行えば精巣静脈瘤の有無がはっきりわかります。血液検査でホルモンレベルの異常や抗精子抗体の有無が検査できます。

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Q4

体外受精すれば、すぐ妊娠出来るのでしょうか?

体外受精すれば、すぐ妊娠出来るのでしょうか?

体外受精胚移植の対象となる疾患は卵管性不妊症、乏精子症、免疫性不妊症及び原因不明不妊症です。

体外受精自体はこれらの疾患自体を治療するものではないため、疾患によっては体外受精を行ってもすぐ妊娠成立しない場合があります。一般的には体外受精胚移植の妊娠率は1周期で約30%です。自然での妊娠成立が1周期で約25〜30%ですので、同等の可能性があるということになります。

体外受精はもともと卵管性不妊症に対して行われていた治療ですが、卵管性不妊症全てで体外受精が優先されるわけではありません。先にも述べたように、卵管の疾患に対する治療ではないため、疾患自体の治療を行わないと体外受精を行ってもうまくいかないこともあります。

免疫性不妊症には女性が精子に対する抗体を持つ場合があり、通常の方法で受精させようとしても受精卵を得られないこともあります。良好な胚もなかなか得られないため、結果的に体外受精での妊娠率が下がってしまいます。

乏精子症の患者では精子の数、運動率や奇形率の程度によっては体外受精を行っても妊娠に至らないこともあり、顕微受精が必要なこともあります。繰り返しますが、体外受精が全てにおいて優先される治療ではありません。

疾患によっては受精着床を優先するよりも原疾患の治療を行った方が良い場合も多いのです。

Q5

妊娠したいです。確実に妊娠する方法はありますか?

妊娠したいです。確実に妊娠する方法はありますか?

確実に妊娠したいとのことですが、相談者の背景が大事となります。

まだ十分に若く結婚したばかりで、特に病気の無いカップルであれば焦る必要はありません。自然での妊娠成立が1周期で約25〜30%といわれています。

従って生殖年齢の男女が避妊することなく通常の性行為を行った場合、1年以内に妊娠に至ることがほとんどです。確実性を上げるには排卵日を選んで性行為をすると良いでしょう。

排卵日の予測は基礎体温を測定していると捉えやすくなります。基礎体温は2層性で低温層と高温層に分かれますが、排卵日との一致率が最も高いのが低温層の最終日です。

ただし計測の途中で、測定日が低温層の最終日かどうかは後で振り返って見ないとわかりませんので、体温が上昇した時点で排卵の有無を判断することになります。

また排卵日では子宮頚管粘液の牽糸性(粘液が糸を引くようになること)が増します。月経周期が規則的で、経験的に帯下の牽糸性が増すことをご存知であれば、排卵日が近づいていることがわかります。更に確実性をあげたい場合は、産婦人科を受診してください。

排卵が起こる直前にLHサージ(黄体化ホルモンの急上昇)が起こります。これを捉えると、32時間後には排卵が起きます。LHサージは簡便に確認でき、最近では薬局でも検査薬として取り扱っています。

また経腟超音波断層法で卵巣が確認できますが、卵胞の大きさを計測し直径が2cmくらいになったら排卵直前と判断できます。この様に排卵の有無を確認しながら性行為を行うことで、妊娠率が上がります。

ただし、1年以上妊娠に至らない場合には単に性交タイミングのずれ以外の原因も考慮する必要があります。原因別に妊娠率を上げるための対処方法が異なってきますので、専門医にご相談ください。

Q6

精子の数が少なくて妊娠できません。どうすればいいですか?

精子の数が少なくて妊娠できません。どうすればいいですか?

男性不妊の70~80%が造精機能障害で、主に精子の数が少なくて妊娠に至りません。この造精機能障害のほとんどが原因のわからないもので、確実な治療法はありません。

従って精子の形成に必要な栄養素やホルモンの補充や刺激、精子形成障害物や精液通過障害の物理的除去(手術)といった支持療法が主体となります。

男性の視床下部・下垂体に何らかの障害が疑われ、精子の形成が妨げられている場合には、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)というホルモンを注射します。また特発性乏精子症の場合にもゴナドトロピンやクロミッド(脳下垂体に働いて黄体刺激ホルモンや卵胞刺激ホルモン分泌を促す)が使われます。

女性の排卵障害に用いられる薬物療法ですが、男性に対しても一定の効果があります。これらの治療期間の目安はおよそ3ヶ月です。精子が出来上がるまでの期間はおよそ74日とされていますので、ホルモン剤などの効果を見るには3ヶ月は必要となるからです。

また造精機能障害の原因として精索静脈瘤があります。精索静脈瘤があると陰嚢内温度が上昇してしまい造精機能が低下すると考えられています。古くから行われていた治療で、手術後の精液所見が改善し、妊娠率も30~40%となります。

閉塞が原因で妊娠しづらい男性不妊に対する精路再建術も一定の効果があります。これらの治療で妊娠に至らない場合には、対症療法として人工授精、体外受精、顕微受精が行われます。人工授精の場合、精液を濃縮させて子宮内へ注入することもあります。極端に精子数が少ない場合には選別した精子を用いて体外受精を行ったり、顕微受精を優先したりすることもあります。

Q7

不妊治療は2年目に突入しました。不妊治療を続けるかやめるか悩んでいます。

不妊治療は2年目に突入しました。不妊治療を続けるかやめるか悩んでいます。

治療が2年以上に及ぶこともあるようですですが、何が問題で妊娠に至らないのかがはっきりしていますか?不妊には男性側、女性側に様々な原因があり、それに応じた治療を行わなければ妊娠に至らないことも多いのです。

不妊治療における人工受精や体外受精は対症療法であり、全体としては一定の妊娠率が得られます。現在では1周期あたりの妊娠率が約25〜30%ですので、4回も行えば妊娠に至ることになります。

ただし、不妊の原因に対する根本的治療ではないので、原因に対する適切な治療を行えてなければ妊娠率も下がり、治療が長引くこともあります。代表的な女性不妊原因である卵管通過障害では、卵管に水腫(水膨れ)があると、体外受精の成績が半分に下がってしまいます。

あらかじめ卵管に対する手術を行うことで、その後に行う対症療法での妊娠率が向上します。この様なこともあるため適切な治療経過をたどっているかを検証する必要があるかもしれません。現在受診されている医療機関で問題点を再度確認して、今後の治療計画を尋ねてみたらいかがでしょう。

納得がいかなかったら、セカンドオピニオンを他の施設に求めてもよろしいでしょう。また年齢的な要素も不妊治療を続けるかどうかの大きな問題となります。統計的には45〜47歳での流産率は70-80%で生産率は1%未満となるため、妊娠を希望し生産を期待するには現実的には45歳までと思われるからです。

色んなことを整理して治療の継続の是非を決める必要がありますので、不妊カウンセリングを受けてみましょう。

Q8

男性不妊の場合、自然妊娠は不可能なのでしょうか?

男性不妊の場合、自然妊娠は不可能なのでしょうか?

妊娠は可能かもしれませんが、男性不妊の原因と程度で確率が随分異なります。

男性不妊の原因は大きく造精機能障害、精路通過障害、性機能障害の3つに分かれますが、この中でも精路通過障害は精路再建術後には自然妊娠が期待できます。精路通過障害の一つである閉塞性無精子症に対する精路再建術後の妊娠率は顕微受精の成績とほぼ同等ですので、手術を前提とした上で、その後の自然妊娠を期待できる病態と言えます。

最も多い不妊原因である造精機能障害では薬物療法で精子数や質の改善が期待できるものもあります。視床下部・下垂体に何らかの障害が疑われ、精子の形成が妨げられている場合には、性腺刺激ホルモンを注射します。

また特発性乏精子症の場合にもゴナドトロピンやクロミッドが使われます。ホルモン剤などの効果を見るには3ヶ月は必要ですが、治療後の精液検査で所見が改善していれば、その後の自然妊娠が期待できます。

また造精機能障害の原因として精索静脈瘤がありますが、精索静脈瘤があると陰嚢内温度が上昇してしまい造精機能が低下すると考えられています。静脈瘤手術を行うことで、手術後の精液所見が改善し、その後に自然妊娠を期待できます。

報告では妊娠率が30~40%となります。性機能障害の中の勃起障害であれば心理カウセリングやバイアグラなどの薬物療法でその後の自然妊娠が可能になることがあります。

この様に、男性不妊の原因の除去や精子の数や機能を上向かせる支持療法を行うことでも、その後に自然妊娠が期待できます。これらの治療でも自然妊娠に至らないものは、確率をあげるために人工受精や体外受精、顕微受精を行うことになります。

Q9

不妊治療専門の病院と総合病院とでは治療に差がありますか?

不妊治療専門の病院と総合病院とでは治療に差がありますか?

不妊治療には原疾患の治療(一般治療)と人工授精や体外受精などの生殖補助医療の二つが必要です。施設によって一般治療に長けたところも有りますし、生殖補助医療に長けた施設もあります。

大学付属病院などの総合病院では、新しい治療法開発や不妊原因の解明に力を注いでいるところも多く、不妊症の中でも難治性の疾患やある特定の疾患に対して強みがあります。

また総合病院の強みを生かした管理ができます。不妊症患者の多くは高齢で、内科的合併症を持つ人も多いため、診療情報を共有しながら他科診療科と共同管理ができます。一方、不妊治療専門の病院は文字通り不妊治療に特化していますので、患者数も多く、体外受精などの生殖補助医療の経験値が高く、高い妊娠率が期待できます。

施設によっては腹腔鏡検査や治療などを積極的に導入している施設もあります。従って不妊治療専門の病院と総合病院との治療の差は、ある意味、一般治療と生殖補助医療のバランスの違いにあると言っても良いでしょう。もちろん一般治療と生殖補助医療のどちらにも強い施設は総合病院にも不妊治療専門病院にもあります。

どの施設を選ぶかは、どのような不妊原因を持っているのかが判断材料となります。

Q10

男性不妊は精液の見た目や臭いで、判断がつくものなのでしょうか?

男性不妊は精液の見た目や臭いで、判断がつくものなのでしょうか?

精液は1回の射精あたり精液量として1.5ml以上、精子濃度として1ml中に1500万個以上、総運動数が40%以上、前進運動率が32%以上、正常形態率が4%以上、白血球が1ml中に100万個未満が正常とされます。 

通常精液検査は2~7日間の禁欲期間をおき精液を採取し、少なくとも2回は検査します。採取した精液が見た目で少なく、計測(重量)して間違いなく少なければ異常と言えます。

また精液の肉眼所見は乳白色から白色です。血液が混じっているようなら血精液、白血球がたくさん混じってやや黄色がかった見た目になっていれば膿精液と言い、病的です。精子濃度が非常に低い場合は透明に見えることがあります。

pHの測定も試験紙で行いますので、見た目で異常の有無がわかります。精液は弱アルカリ性ですので、酸性になっている(pH<7.0)場合は異常で、閉塞性無精子症を疑います。

精液のにおいと精子の関連は興味があるところですが、実際に研究されている方もいます。しかしながら、におい強さは精液の異常の判断基準には入っていません。

そんなに気にしなくてよいと思います。肉眼で判断できない精子の運動率や奇形(正常形態のチェック)は顕微鏡下で確認できます。

著者紹介

杏林大学医学部付属病院

杏林大学医学部付属病院は、女性の生涯を通しての健康をサポートし、きめの細かい医療サービスを提供する理念のもとに、多摩地区の拠点病院として産婦人科の3大領域である、周産期医療、婦人科腫瘍、生殖医療のすべてにおいて高度な医療提供体制を備えています。外来においては通常の外来の他に、各専門医(指導医)が中心となって臨床遺伝外来、腫瘍外来、不妊・内分泌外来といった特殊外来を行っています。

公式サイト

杏林大学医学部付属病院

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