出産を経験したことのある人であれば、産後、以前の体形へなかなか戻らないというストレスを抱えたことがあるのではないでしょうか。妊娠中は、赤ちゃんに栄養を行き渡らせるため、水分や脂肪を蓄えやすいよう体質が変化しています。一般的に10kg近く体重が増加しますが、その時に起こる現象が骨盤のひずみです。この骨盤のひずみによって、基礎代謝などが低下し、痩せにくい体を作ってしまう原因となることが多いのです。
今回は、産後のダイエットと骨盤のズレの関連性について、お話を進めていきたいと思います。
産後はなぜ体重が落ちにくいのか
骨盤のひずみ
冒頭ですでに述べたように、妊娠中の体重増加などによって起こる「骨盤のひずみ」は、やはり大きな要因となりえます。
元々、骨盤は人間がしっかりと姿勢をたもてるよう内臓や体を支える役目を果たしていますが、出産時に限り、赤ちゃんが産道を通りやすい広さまで柔らかく緩んでいるのです。
この状態が産後も続くことから、姿勢が悪くなったり、骨盤周辺の血流なども悪くなったりするため、脂肪を燃焼しにくい体質になってしまいます。
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腹筋の緩み
妊娠中は、「リラキシン」というホルモンが大量に分泌されます。このリラキシンは主に、靱帯(じんたい)や関節などの結合組織を緩やかにし、出産をスムーズにするという働きをもっています。
その際、おなかの中の赤ちゃんは成長する過程でママの腹筋を徐々に引き伸ばしていきますから、どうしても腹筋が緩んだままになってしまうのです。
これにより、腹筋本来の役割である「内臓の保護」ができなくなるため、体が皮下脂肪をためることでバランスを取ろうとします。
基礎代謝の低下
妊娠中は、体を自由に動かすこともままならないため、どうしても運動量は少なくなりますよね。この運動不足が招く弊害が「筋肉量の低下」です。
食事で摂取した栄養やエネルギーをもっとも消費するのは筋肉ですから、このような基礎代謝機能の低下は体重が落ちにくい一因となります。
ダイエットを始める時期はいつがいい?
出産を無事におえるため、妊娠中は水分や脂肪を蓄えやすい体になっているというお話はすでにしました。出産前の体形に戻すためには、ダイエットは欠かせない要素の一つです。このパートでは、その効果がもっとも期待できる時期について触れたいと思います。
ずばり産後6カ月以内が勝負!
産後は体力も落ちますし、育児をしながらのダイエットというのはとても大変です。しかし、産後ダイエットを開始する絶好のタイミングというのは、6カ月以内と言われています。というのも、妊娠中についた脂肪は「流動性脂肪」と呼ばれており、通常のものとは違って水分を多く含んでいます。
この流動性脂肪も、時間がたてば普通の脂肪に変化してしまうため、あまりに放置してしまうと落としにくくなるというメカニズムです。そのボーダーラインが産後6カ月というわけですね。
産後1カ月月以内は無理をせずに
早めのダイエットが効果的だからと言って、産後1カ月以内にスタートしてしまうと体に負担をかけてしまいます。まだ自律神経の働きなどもじゅうぶんに回復していませんから、はやる気持ちをグッとこらえ、安静にしていてください。
ただ、この時期に何もできないというわけではもちろんありません。運動をすることができないのであれば、「食事管理」の方からぜひ始めましょう。栄養バランスの取れた規則正しい食生活をすることで、ダイエットを開始してからの効果も大きく変わってきますよ。
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