教育と技術を融合させた「EdTech(エドテック)」。教育現場はどう変わる

エドテック
「EdTech(エドテック)」は、教育とテクノロジーを合体させた造語です。金融とテクノロジーを合体させた「FinTech(フィンテック)」と同じタイプの言葉です。経済産業省は、「EdTech(エドテック)」を軸にした教育改革についての提言をまとめました。これからの教育に大きな影響を与えるであろう「EdTech(エドテック)」について解説します。

「EdTech(エドテック)」とは何か

アクティブラーニング
「EdTech(エドテック)」のEdはEducation(教育)、TechはTechnology(技術)からとったものです。教育の分野に革命を起こすような、新しい技術を使用したサービスやビジネスをさす言葉です。

教育に新しいテクノロジーを活用した取り組み

「EdTech(エドテック)」は、日本だけではなく、世界で注目されています。近年、技術革新の分野で大きな成果をあげている中国も、力を入れています。日本の教育現場には新しい技術がなかなか浸透せず、旧態依然とした状態でしたが、経済産業省が人材育成の必要性を重く見て、有識者会議を立ち上げました。デジタル技術を活用した教育改革についての議論は1年半続き、提言がまとめられました。文部科学省は、「EdTech(エドテック)」を「教育におけるAI、ビッグデータ等のさまざまな新しいテクノロジーを活用したあらゆる取り組み」と定義しています。

アダプティラーニングを実現する

「EdTech(エドテック)」を用いることで、さまざまな教育スタイルが実現すると予想されています。特に子どもたちに大きな影響を与えるのが、アダプティラーニングの実現です。アダプティラーニングとは、ひとりひとりの生徒の学習進度に合わせて、最適な課題と学習方法を提供するシステムです。教育の現場は、30人を超える子どもたちを同じ教室に集め、同じ課題を与えて一緒に学習するというシステムが長く続いていました。しかし、このシステムでは授業についていけなくなってしまう子、集中力が続かない子、すでにわかっていることばかりで飽きてしまう子が出てきてしまいます。教師は中央値に向けて授業をするしかないからです。ところが、「EdTech(エドテック)」の活用で、個人の学習を最大限にサポートする仕組みが実現できます。

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「EdTech(エドテック)」が作る「未来の教室」構想

未来の教室
「EdTech(エドテック)」に分類される技術やサービスはひとつではありません。私たちの生活に浸透しているIT技術や、AI(人工知能)、タブレットなどのデバイスも「EdTech(エドテック)」の一部です。EdTech研究会がまとめた提言「未来の教室」構想は、現在の教育界にある三つの大きな課題を解決し、新しい教室を生み出そうというものです。

「学びのSTEAM化」

ひとつ目の課題であるSTEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育(ステムきょういく)」に、 Art(芸術)の要素を加えたものです。しかし、こうした総合的な学習プログラムのお手本がなく、現場は対応しきれていません。そのため、誰もがアクセス可能なSTEAMライブラリーをネット上に作るという構想があります。知識を得て論理的に思考し、創造するサイクルを学びのなか作り出し、子どもの能力を伸ばすという考え方です。

「学びの自立化・個別最適化」

ふたつ目は、先に述べたアダプティラーニングです。これまでのような、一斉に一律に一方向に向かって授業を受けるのではなく、それぞれが個人の学習進度や興味に合わせて学習を進めていくことで、いわゆる「落ちこぼれ」といわれるような子どもを作りません。文部科学省は2020年には小学生ひとりひとりにタブレットを支給する方針を打ち出しており、これが実現すれば加速度的に学びの個別最適化は進むと思われます。個別最適化は、発達障害や学習障害と呼ばれるハンディを持った子どもの教育にも有効な手段です。

「新しい学習基盤の整備」

三つ目は、学校環境の整備です。教師の過重労働が社会問題になっている通り、現場は疲弊しています。子どもも含め、じっくり思考して創造性を発揮できるような余裕がありません。EdTechを実施するためのインフラ整備も遅れています。未来の教室では、ひとりひとりがタブレットを持ち、ネット環境も整備されている必要があります。学外の協働も視野に入れた改革が望まれています。

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