妊娠と子宮筋腫【コラム妊娠と出産】

妊娠と子宮筋腫
子宮筋腫は子宮にできる良性腫瘍で、40歳代の女性の10~20%に認められるといわれ非常に頻度の高い腫瘍です。子宮にできる部位により分類されており、子宮体部では子宮の外側にできる漿膜(しょうまく)下筋腫、子宮筋層内にできる筋層内筋腫、子宮の内腔にできる粘膜下筋腫があり、子宮頸部(けいぶ)にできたものは頸部筋腫と呼ばれます。

また、粘膜下筋腫では茎が伸びて腟(ちつ)に子宮筋腫が出てくる筋腫分娩(ぶんべん)といわれるものもあります。子宮筋腫は大きさや部位により、まったく症状がないもの(無症候性筋腫)といろいろな症状が見られるもの(有症候性筋腫)があります。

子宮筋腫の症状と治療法

腰痛

症状

子宮筋腫の症状としては、月経量が多くなって(過多月経)貧血をきたす、不正性器出血や月経時の痛みが強くなる(月経困難症)などが主なものです。

大きな子宮筋腫ではぼうこうを圧迫して頻尿になり、腰痛・便秘の原因にもなります。

有症候性筋腫の治療法

有症候性筋腫は治療の対象となりますが、治療には大きく手術療法と薬物療法があり、手術療法では子宮筋腫のみを取り除き子宮を残す「筋腫核出術」と、子宮ごと摘出する単純子宮全摘出術があります。

薬物療法では、子宮筋腫を小さくすることはできますが取り除くことはできず、閉経前であれば薬物療法後に子宮筋腫はまた大きくなってしまいます。

最近では、子宮動脈を塞栓(そくせん)したり、子宮筋腫を超音波で焼いたりして子宮筋腫を小さくする低侵襲性治療も開発されてきました。どの治療を選ぶかはこれから妊娠を希望するのかどうかや閉経が近いかどうかによって異なります。

子宮筋腫を合併している場合に起きる妊娠中のトラブル

妊婦
子宮筋腫が合併した妊娠の頻度は1~3%前後といわれていますが、近年の妊娠年齢の高齢化によりその頻度は増加していると考えられます。

子宮筋腫合があっても妊娠に悪影響を与えない場合もありますが、一般的に妊娠中は子宮筋腫が胎盤から分泌されるホルモンの影響もあって大きくなり、いろいろなことが起こりやすいことが指摘されています。

子宮筋腫を合併しているときに起こりやすい妊娠中の異常を下記の表1に示します。

表1.子宮筋腫が妊娠中に及ぼす影響
  1. 切迫流産・切迫早産
  2. 前期破水(陣痛発来前に破水するもの)
  3. 流産・早産
  4. 常位胎盤早期剥離(分娩前に子宮内に胎児がいるうちに子宮壁から胎盤がはがれてしまうもの)
  5. 前置胎盤
  6. 子宮内胎児発育不全(妊娠週数に比べて赤ちゃんの成長が十分でないもの)
  7. 胎位異常
  8. 筋腫の変性による局所の痛み
  9. 深部静脈血栓症・水腎症(血管や尿管の子宮筋腫による圧迫による)

※子宮筋腫の部位と胎盤が接している場合、特に流産・早産、常位胎盤早期剥離の頻度が高くなることが報告されています。

常位胎盤早期剥離は胎盤が分娩前に子宮壁からはがれてしまう状態で、赤ちゃんに重篤な障害が残ることがあります。胎盤と子宮の付着部位の直下に子宮筋腫があると起こりやすいとされています。

胎位異常とは通常、赤ちゃんの頭がお母さんの下を向いていますが(頭位)、子宮筋腫が邪魔をして赤ちゃんの頭が横や上を向いてしまう状態です。妊娠中に子宮筋腫が変性を起こして(赤色変性)痛みが続くこともあり、痛みが強いと長期の入院を強いられることもあります。

妊娠中は子宮の増大に加えて子宮筋腫も大きくなり、これが血管を圧迫して血液の流れを悪くし、深部静脈血栓症や尿管を圧迫すると水腎症を起こすこともあります。

杏林大学医学部付属病院は、女性の生涯を通しての健康をサポートし、きめの細かい医療サービスを提供する理念のもとに、多摩地区の拠点病院として産婦人科の3大領域である、周産期医療、婦人科腫瘍、生殖医療のすべてにおいて高度な医療提供体制を備えています。外来においては通常の外来の他に、各専門医(指導医)が中心となって臨床遺伝外来、腫瘍外来、不妊・内分泌外来といった特殊外来を行っています。

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