【医師監修】感染力はインフルエンザの5倍以上?!乳児の命を危険にさらす「百日せき」

監修医師プロフィール:山中岳先生の写真山中岳 先生

平成8年医師免許取得 東京医科大学病院小児科。

子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験する医師。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの資格を所持。日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行っています。

http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/shoni/staff/294.html

咳をする子ども
「百日せき」は感染して咳がコンコンと出始めてから咳が出なくなるまで、およそ3カ月を要することからその病名がつきました。特に乳児のいる家庭では、季節を問わず子どもの病気には気をつけたいものです。今回は強烈な感染力を持つ百日せきについて、その症状や感染経路、大人が注意すべきことなどをご紹介したいと思います。

知っておきたい「百日せき」のこと

指をさす子ども
「百日せき」という病名は聞いたことがあっても、具体的にその症状などについては知らない人の方が多いのではないでしょうか。ワクチンの定期接種で感染は激減しているものの、近年では患者の半数近くが大人であるこの病気、いったいどのような病気なのでしょうか。

世界中で猛威を振るう百日せき、その感染経路は?

百日せきは世界的にみられる疾患で、死亡者の多くは1歳未満の乳児、特に生後6カ月未満が大半です。世界の百日せきの患者数は年間2,000万人から4,000万人で、その内およそ90%は発展途上国の小児で、死亡数は約20万人から40万人とされています。百日せきにはワクチンがかなり有効とされ、8割近く感染するリスクを減らすことができます。また、くしゃみや咳の時の「飛沫(ひまつ)感染」、患者との「接触感染」が感染経路です。

こんな症状なら「百日せき」を疑いましょう

百日せきには1週間から10日の潜伏期間があります。感染から約2週間で軽い風邪のような鼻水や咳などの症状と共に、徐々に咳の回数が増え始めます。初期は、ふつうの咳の風邪とあまり見分けがつかないのですが、実はこの時期が最も感染力が強いので家族も注意したいですね。その後、感染から2~3週間で、短く激しいコンコンという咳が連続し始め、咳発作(ヒューという音を伴いながら苦しそうに息を吸う)を繰り返します。百日せきは「熱が出ないことが多い」、「咳発作以外の症状が出ないことが多い」ことも特徴なので気をつけましょう。

怖いのは「乳児」が百日せきにかかった場合です

大人が感染しても重症にはなりにくい百日せきですが、子どもの場合は違います。百日せきに感染すると、激しい咳による呼吸困難や肺炎の併発など重症化する確率が高くなることや、まれに一時的な無呼吸状態から脳への感染により脳炎を起こし、知能の発達が遅れるなど障害が残る可能性もあるのです。また、一般的に0.2%(生後6カ月以内の場合0.6%)の子どもが命を落とすといわれており、乳児がかかった場合は本当に怖い病気です。

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大人の「百日せき」はとくに注意するべき

咳をする女性
一般的に大人が感染しても、風邪に似た咳が長く続く程度で重症化しない百日せきですが、ではなぜ「大人」がとくに気をつける必要があるのでしょうか。

ワクチンを打っても効果は「一生」ではない

百日せきについては1990年代からこの原因菌に対するワクチンとして、三種混合ワクチンの定期接種が始まっています。しかし、予防接種をしてついた免疫は、およそ5年から10年でなくなってきます。予防接種を受けていても20歳以上の成人が感染することが増えているのには、ワクチンの効力が無くなったことが理由のひとつに挙げられます。

ワクチンの接種率が低かった年代があります

今では定期予防接種が当たり前のように存在します。しかし、1975年 (昭和50年)前後の生まれにあたる人はその頃に「副反応の問題」や「死亡例」があったことから、厚生省より1975 年(昭和50年)2月に、百日咳(ぜき)せきのワクチンを含む予防接種を一時中止するように指示が出されていたのです。また、その4月にワクチン接種が再開されてからも、地域によってはワクチンの接種を控えていた所も多くあったことから、保護者世代にあたる人がワクチンを未接種である可能性が高いといえます。

「重症化しない」からこそ、感染に気づかないことも

一度のワクチンでは一生分をカバーできない。また、ワクチン接種率が低い年代がある。このことから、大人は感染しやすいと考えられるでしょう。
しかし、大人は感染しても重症化しません。重症化しないというと、とても聞こえは良いのですが大人が感染に気づかないことで、大きな影響を与えかねないのが乳児です。実際に、2001年からこの10年間、毎年大人の感染者は増え続け、現在では感染者の半数以上は大人であり、受診していない人を含めるとその数はさらに多いと考えられます。そんな中で、重症化の危険性の高い子どもへと感染を広げてしまうことが問題となっています。

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