出産をして子どもに母乳を与えていると、ふとしたことで乳腺炎になることがあります。乳腺炎は胸が痛んだり熱が出たりする病気で、産後ママに起こりやすいトラブルの一つです。乳腺炎を改善するには、母乳の相談に乗ってくれる母乳外来を受診するのが便利です。乳腺炎の予防法や母乳外来の活用法を知り、快適な母乳育児をしてみませんか?
産後ママが恐れる乳腺炎とは?
母乳で育児をしていると突然胸が痛み熱が出たりすることがあります。産後のママを悩ませる乳腺炎はどのような症状なのでしょうか?単純なおっぱいの張りとは異なる乳腺炎の症状や原因についてご紹介します。
産後に胸が張って痛むのはなぜ?
まず産後に胸が張る主な原因についてご紹介していきましょう。
胸が張る状態は乳房緊満(きんまん)と言います。産後の緊満は生理的なもので、このとき胸全体はふっくらとした状態のまま固く重くなっています。これは母乳が作られる量と、赤ちゃんが飲める量とのバランスが悪く母乳が余ってしまうことが要因です。
生理的な胸の張りは特に産後1~5日目ごろに多く、1~2カ月までの間に徐々に落ち着いてきます。
乳腺炎の症状は突然の発熱や乳房の腫れ
一方、乳腺炎が疑われる場合は、生理的な緊満状態とは異なり胸全体がいびつに固くなってしまうのが特徴です。また、乳首の先が平らになることもあるため赤ちゃんがおっぱいをうまく飲めずより悪化することもあります。
乳腺炎の初期症状としては以下のようなものが挙げられます。
- 37・5℃以上の発熱や悪寒がある
- しこりがある
- ずきずきとして痛みがある
- 赤く腫れている
- 触ると熱を帯びている
- 乳頭に白い点ができる(白斑)
こんな人は要注意!乳腺炎になる原因
乳腺炎はほとんどの場合、母乳が通る道である乳腺に母乳が詰まることが原因です。このような状況に心当たりのある人は乳腺炎になる可能性が高まります。
- 授乳間隔が3時間以上あいている
- 授乳時の抱き方がいつも同じ
- 痛む方の胸で授乳していない
- きつい衣類、ブラジャー、抱っこひもで胸を圧迫している
- 甘いもの、カロリーの高いもの、香辛料の強いもの、乳製品をとりすぎている
痛みがある場合は胸を刺激したりして、赤ちゃんにできるだけ飲んでもらえるようにしましょう。
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母乳ケアには母乳外来がおすすめ!
乳腺炎になるとママは何も手につかず寝込んでしまう場合もありますし、赤ちゃんは母乳が飲めなかったり母乳が嫌いになったりすることも。胸に違和感がある場合は早めに母乳外来を受診するように心がけましょう。
母乳外来は何をするところ?
母乳外来では授乳指導、搾乳指導、育児指導が行われており、母乳に関しての悩みやトラブルの相談に乗ってくれます。乳腺炎があるなど必要な場合にはマッサージなどおっぱいのケアも行ってくれます。受け入れ状況は近くの助産院や産婦人科で気軽に問い合わせするのが確実です。
また、乳腺炎が落ち着いてからも赤ちゃんの成長に合わせた母乳の与え方のアドバイスを受けたり、卒乳時期で残った母乳をしっかり絞り出してもらったりするために母乳外来を受診する方もいます。
乳腺炎のケアとして何をしてくれるの?
乳腺炎は重症の場合手術が行われる場合があるほどなので、母乳外来で胸の状態を見極めてもらえるのは非常に心強いです。最悪の状態になる前に、桶谷式などに代表される実績ある乳房マッサージを受けることで乳腺炎の症状が緩和できるでしょう。また、授乳方法へのアドバイスなどが受けられるので、乳腺炎の再発を予防にもつながります。
治療がある場合は医療費控除の対象になる
母乳外来は1回ごとに4000~5000円程度かかります。医師の治療や投薬を受けていない場合は、保険適用とならず原則自己負担です。この出費は頻繁に通うとなると負担になりますが、乳腺炎のケアなど治療とみなされる場合は、医療費控除の対象として認められています。
申請の際は証明が必要なので、母乳外来の明細表は大切に保管しておきましょう。ただし、単に母乳の出をよくするなど治療ではない内容については控除対象にはなりませんので注意してください。
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