感染が広まるコロナウイルス。いつどこで誰が感染してもおかしくない昨今、子育て世帯や保育士も例外ではありません。子どもが毎日通っている保育園がコロナで休園になったらどうすればよいでしょうか。仕事や子どもの居場所問題などなど。子持ちの保育士が、休園に直面した体験を織り交ぜながらご解説します。(2012年8月31日現在)
コロナが出たら保育園はどうなる?休園の期間など
「コロナウイルス陽性者が報告されたため休園となります。」…何の前触れもなく、保育園からこんな一斉メールが送られてきた。そんなも今や話も珍しくありません。
厚生労働省のまとめによると新型コロナウイルスによる保育所等の休園は、2021年8月26日時点で14都道府県で179件報告されています。これまでの感染報告は、累計4,575件。
かくいう筆者も、我が子の通園先がコロナによってお休みとなりました。突然の休園に直面したら、どうすればいいのでしょうか。
関係者からコロナ感染が出たら保育園は休園に
保育園で感染した子どもが出た場合、保育園はどうなるのか?という点について、厚労省は『都道府県の保健衛生部局等と連携の上、感染者の状況の把握とともに、濃厚接触者の範囲の確認を行い、休園の判断を行ってください。』としています。
休園の要件や期間に関する全国統一の基準は設けられておらず、自治体と保健所の判断に委ねられているのが現状です。
ここで神奈川県横浜市の例を見てみましょう。
横浜市では園の職員、もしくは園児がPCR検査を受けることが決まった場合や、保健所から濃厚接触者として特定された場合、自治体に報告するよう定められています。
そして園関係者が1人でも陽性となった時点で休園となります。
「保育所等における臨時休園の判断にかかる対応等の一部改定について」・横浜市こども青少年局保育・教育運営課長
「保育所等における新型コロナウイルスへの対応について」・横浜市こども青少年局保育・教育運営課長
休園期間は?保育園・自治体によってさまざま
休園と聞いて、頭が真っ白…。真っ先に気になるのは「再開日はいつ?」という点。しかし、これはケースバイケースです。
たとえば、筆者の子どもの通園先では4日間、週末を挟んだため平日は2日のみお休みでした。
一方、同じ県内で7日間お休みが続いた保育園もありました。
いったん感染者が分かると、その行動履歴の確認や濃厚接触者の有無が調査されます。
濃厚接触者・接触者を対象にPCR検査が実施されることもあり、さらなる陽性者が出る可能性もあります。感染者が複数に渡る場合、再開日の決定は難しい判断となってくるでしょう。
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コロナで保育園が休園に!今こそやりたい3つのこと
急な休園が決まると、それまで立てていた日々の予定が白紙になってしまいますよね。
この休園期間を、どう過ごせばいいのでしょうか。やるべきことを3つご紹介します。
(1)職場との調整
働くママの大きな心配事といえば「その間、仕事はどうなるの!」ということですよね。
コロナ感染は待ったなし。身近で感染者がわかり通園先が休園に入ったのなら、職場にも速やかな情報共有が必要です。
再開日の目途が立っていなくても、第一報は早めに済ませましょう。また、業務の調整だけでなくママ自身に感染の可能性があるのかも気がかりです。お子さんが濃厚接触者として特定された場合や、職場の人に基礎疾患がある場合などは可能な範囲で状況を伝え、相談しましょう。
(2)過ごし方を検討
思いがけず連休に突入。子どもはむしろ喜んでしまうかもしれませんが、普段のお休みとは違いますよね。感染を広めたり、新たに感染しないためにも休園中は自宅待機が基本です。習い事などのご予定がある方も、キャンセルはやむをえません。
どうしても子どもが外に出たがる場合は、早朝の人がいない時間帯に公園にいくなど、周囲との接触を控える配慮を。日用品の買い出しは、ネットスーパーの活用がおすすめです。頼めば玄関先に品物を置いてくれる非接触のサービスも登場しています。
(3)情報流出を防止
「誰が陽性判定を受けたの?」というのは一番気になる点ですが、人権保護の観点から名前を伏せている園が殆どかと思います。後々トラブルにならないためにも、周囲に聞かない・話さないを徹底しましょう。
また、陽性者に対しては人権配慮が行き届いても、「PCR検査を受けた?」ということは気軽に話題にしてしまいがちです。自分の子が陰性だった場合、「問題なかった!」と周囲にも言いたくなりますが…。それによって間接的に、陽性者が特定されてしまう心配もあります。
さらに、外部の友人などに「休園になって困ってる」などと呟くのも、噂が噂を呼ぶ結果につながりかねません。思いがけない一言がトラブルの発端にならないように、感染してしまった人、そしてお友達や自分自身を守るためにも、他言無用を徹底したいですね。SNSで話題にするのも、当然NGです。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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