平成8年医師免許取得 東京医科大学病院小児科。 子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験する医師。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの資格を所持。日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行っています。 http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/shoni/staff/294.html監修医師プロフィール:
山中岳 先生
骨系統疾患とは、骨格の異常をきたす疾患の総称です。骨や軟骨の形成するための結合組織の成長や発達、分化の障害によって引き起こされます。1997年に改訂された国際分類法によると、約200種類以上の骨系統疾患があり、32のグループに分けられます。そのうち100にものぼる疾患には原因となる遺伝子が見つかっています。
骨系統疾患とはどんな病気なのか
骨系統疾患の症状の多くは、低身長・骨格の変形・運動機能の異常・骨折しやすいなどがあります。このなかでも低身長は、病院を受診するきっかけになることが多い症状です。疾患の種類によっては、皮膚や爪、毛髪、神経、目、歯などに合併症を伴うことも多い症状です。
骨系統疾患は何が原因で起こるの?
骨系統疾患の原因の多くが、遺伝子の変化による疾患です。
まず挙げられるのは、遺伝的な異常により組織を傷つけてしまうことです。遺伝的な異常という原因は判明していますが、その種類が多すぎるため、確立されている治療法であっても、一律に施すことが、難しい疾患です。また、原因を調査できる骨系統疾患は150種類ほどに限られているのが現状です。
骨系統疾患の具体的な症状は?
骨系統疾患の症状であらわれやすい症状は、骨格の変形・運動機能の異常・骨折しやすい・低身長などです。骨系統疾患は遺伝子の異常によってあらわれる疾患ですので、先天的な異常としてあらわれます。遺伝的な奇形なため、遺伝子によって症状のあらわれ方が異なるという特徴もあります。また、骨が変形する症状も特徴ということができます。
骨系統疾患を予防する方法は?
残念ながら予防法がないのが現状です。骨系統疾患の場合、遺伝的な異常によって引き起こされ、その遺伝子のほとんどが解明されていません。また原因が先天的でも、必ずしも出生時から症状があるとは限らず、成長とともに徐々に症状が出現してくる場合もあります。
しかし、出生前診断によってわかる骨系統疾患もあります。骨系統疾患は、早期発見が重要であるとされています。骨系統疾患を起こす遺伝子についての研究は、現在も進められています。
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骨系統疾患の代表的な症状とは?
骨系統疾患はさまざまな種類の症状があります。最も代表的なものは骨軟骨異形成症、脊椎異端異形成症、骨形成不全、低身長症などが挙げられます。疾患の種類によっては、他の部分に合併症があらわれる場合もあります。それぞれの症状などは以下の通りです。
軟骨無形成症の症状
軟骨に関係する遺伝子の異常によって引き起こされる骨系統疾患です。遺伝子の異常のうち約80%が突然変異によって起こります。低身長を示す骨系統疾患の代表で、特に手足の短さが特徴として挙げられます。他の症状として、肘が伸びにくい、手指が短い、過度なO脚、背骨が腰の上の方で曲がっているなどが挙げられます。幼少期に症状があらわれる場合が多いですが、成人後に症状があらわれることもあります。
先天性脊椎骨異形成症の症状?
軟骨の成分である、2型コラーゲンという成分を作る遺伝子が、変異することによって引き起こされます。出生時から低身長でありますが、座高が低いという特徴があります。ほかの症状として、足の変形がある、過度なO脚やX脚、側わんなど伴うこともあります。また、近視や網膜剝離の合併症を伴うことがあるため、注意が必要です。
骨形成不全症の症状?
骨形成不全症では、約90%が、骨の成分の1型コラーゲンを作る遺伝子に異常があらわれます。代表的な症状は、骨が折れやすいことですが、症状の幅が広く、産まれた時から骨折をしている場合もありますし、生涯で数回しか骨折していない、という場合もあります。骨折を繰り返すことで、骨が変形してしまうため、注意が必要です。
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