【医師監修】バビンスキー反射からわかる疾患、「錐体(すいたい)路障害」とは

監修医師プロフィール:山中岳先生の写真山中岳 先生

平成8年医師免許取得 東京医科大学病院小児科。

子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験する医師。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの資格を所持。日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行っています。

http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/shoni/staff/294.html


気持ちよく寝ている赤ちゃん
人の身体には、外部からの刺激によって意識とは無関係におこるさまざまな「反射反応」が備わっています。産まれたばかりの赤ちゃんにも、周囲の音に反応して何かに抱きつこうとする「モロー反射」がおこるように、「バビンスキー反射」も乳幼児期に確認できる反射反応の一つです。今回は「バビンスキー反射」と、その異常からわかる「錐体(すいたい)路障害」についてご紹介します。

そもそも「バビンスキー反射」とは?

赤ちゃんの足の裏
「バビンスキー反射」の異常がある場合に、「錐体(すいたい)路障害」という疾患がみつかる可能性が高いとされています。「バビンスキー反射」とはどのような反射反応なのでしょうか。まずは「バビンスキー反射」について、その確認の仕方も含めて知っておきましょう。

代表的な病的反射「バビンスキー反射」

フランスの医師、ジョゼフ・ババンスキー(Joseph Jules François Félix Babinski)によって発見された反射反応で、日本では「バビンスキー反射」と呼ばれています。「バビンスキー反射」は、皮膚反射の一つで、病的反射の中でも最も重要な反応の一つです。新生児の神経系の異常を調べる検査や、交通事故などによる後天的な錐体(すいたい)路障害を調べる検査にも、この「バビンスキー反射」が用いられます。

「バビンスキー反射」の見方とは

「バビンスキー反射」を確認する際には、とがったものを使い、足の裏の外側をかかとからつま先へ向かってゆっくりこすります。すると足の親指が甲(足背)側にゆっくりと曲がる「親指現象」、親指以外の指4本が扇状に外側に開く「開扇現象」がおこります。この一連の反射が『バビンスキー反射』で、神経系の発達が未熟な乳児でもみられます。

「バビンスキー反射」の異常反応とは

「バビンスキー反射」は、2歳未満の子どもには普通にみられる反射反応ですが、成長すると共に足の指が足の裏(足底)側に曲がる「屈曲反応」があらわれたり、あるいは反応そのものがあらわれなくなったります。しかし、2歳以降に「バビンスキー反射」がみられる場合には「病的反射」とされ、主に「錐体(すいたい)路障害」の可能性が疑われます。

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人間の運動機能・脳のはたらきと「錐体(すいたい)路」

両手を挙げて寝ている赤ちゃん
「バビンスキー反射」が異常反応、つまり、病的反射としてあらわれる際には「錐体(すいたい)路障害」の疑いが強いとされていますが、「錐体(すいたい)路」とは人の身体において本来どのような役割を担っているのでしょうか。人間の運動機能において重要な脳のはたらきから、「錐体(すいたい)路」と「錐体(すいたい)外路」の役割について詳しく調べてみましょう。

運動性伝導路「錐体(すいたい)路と錐体(すいたい)外路

日常生活において、歩いたり、ものをつかんだりという動作をする際、筋の運動・調整を行うために、大脳皮質の運動野、大脳基底核、小脳、中枢神経系内を通って、a運動ニューロン(脊髄前角細胞)に信号(シナプス)を送ります。この一連の流れを運動伝導路といい、脳から出た信号が伝わっていく中枢神経系から抹消への伝導路が「錐体(すいたい)路」と「錐体(すいたい)外路」の二つの系統に分かれているのです。

運動機能をつかさどる「錐体(すいたい)路」とは

「錐体(すいたい)路」は中枢神経系が支配する運動神経の一つで、大脳皮質から延髄にある錐体(すいたい)を通り末梢(まっしょう)へ向かう神経路のことです。人の運動は無意識に行う「反射運動」と、意識的行う「随意運動」から成り立っています。「錘体路」は骨格筋における随意運動を行うための信号を伝える役割、特に手指を使った精巧な運動(巧緻運動)において重要な役割を担っています。具体的にいうと「卵を割らずにつかむ」「コップの水を口に運ぶ」などの日常動作に大きく関わっているのです。

運動に骨格筋の調整を行う「錐体(すいたい)外路」

「錐体(すいたい)外路」とは、錐体(すいたい)路以外の運動性伝導路の総称です。錐体(すいたい)路のはたらきだけでは困難な骨格筋運動がスムーズに行えるように、骨格筋の調整をする役割を担っているのです。単純に歩くという動作だけでも、下肢のみのはたらきではなく、上肢、体幹など多数の筋が調和し、リズミカルに伸展・収縮を繰り返すことができないとスムーズな歩行はできませんね。「錐体(すいたい)外路」系統は、各筋の微妙な調整を行い、目的の動作がスムーズに実行できるようにはたらいています。

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