通知表での絶対評価と相対評価の違いは?所見って何を書かれるの?

通知表
学期末になると、学校から配られる通知表。小学校の通知表は「あゆみ」「かがやき」などの名称でよばれることも多いですね。子どもや保護者に学習状況を伝えるとともに、今後の学習の助けとすることが通知表の目的ですが、その内容は時代とともに少しずつ変わってきました。今回は、通知表での絶対評価と相対評価や所見欄について筆者の経験を踏まえてご紹介します。

通知表にはどんなことが書いてある?

小学生の成績
文部科学省は小・中・高の各学校で指導すべき内容を「学習指導要領」というものにまとめていますが、学習指導要領は社会や子どもを取り巻く環境の変化とともに、改訂されて今日に至っているものです。学習指導要領の改訂とともに、子どもの評価の方法も変わり、通知表の内容も保護者の方が子どもだった頃とは異なっています。
まずは現在の通知表の内容を見てみましょう。

※なお、ここで取り上げる通知表の内容は、近畿地方の公立小学校に通う筆者の子どものものです。通知表の内容やフォーマットは学校ごとに決めることができるため、お住まいの地域の学校の通知表が、必ずしもご紹介する内容と一致するとは限りません。

「学習の記録」で各教科の学習状況を評価

通知表の見開き1ページの左側には、「学習の記録」の欄があります。国語や算数など、各教科の評価が書かれています。各教科には「観点別学習状況」と「評定」という項目があり、各学期における教科の評価はこの2つがセットです。

観点別学習状況とは教科ごとに設定された学習状況の目標で、ひとつの教科につき4~5項目が設定されています。項目ごとに子どもが目標に到達できているかどうかを評価し、その教科の総合的な評価を表したものが評定です。約20年前に改訂された学習指導要領をきっかけに、評定のつけ方がそれまでと大きく変わりました。

観点別学習状況と評定については、後で詳しくご紹介します。

「所見」は子どものがんばりなどを記録

通知表の見開きの右側には、生活態度や委員会活動の様子を評価する「行動の記録」や道徳・外国語活動・総合学習の記録、所属しているクラブや委員会などの記録、「学習および行動・その他の記録」「出欠記録」があります。

この中で、保護者の方が気になるのが「学習および行動・その他の記録」、いわゆる「所見欄」といわれるところではないでしょうか。ここは子どもが学校生活の中で努力したことを担任の先生自身の言葉で綴るスペースです。保護者がなかなか把握できない、子どもの学校での様子を垣間見ることができることから、保護者の注目度も高くなります。

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「学習の記録」の評定の意味とは?

通知表を作る
「学習の記録」は教科ごとに観点別学習状況と評定で構成されることを、先にご紹介しました。評定とは「通知表はオール5だった!」というような表現が使われるときの「5」に当たる数字のことです。しかしその意味合いは保護者の方々が小学生だった頃と今ではずいぶん違っています。

ここでは「学習の記録」の内容を詳しく見ながら、評価の意味を知りましょう。

観点別学習状況の評価と評定

先ほど述べたように、観点別学習状況とは、教科ごとに設定された学習状況の目標です。その内容には「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4つの観点を盛り込むよう、学習指導要領で決められています(2020年度より、学習指導要領の改訂に伴い、評価の観点が「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つになります)。

ひとつの教科ごと4~5の項目が設けられ、たとえば国語なら「目的や意図に応じ、全体の構成などに注意して文章を書く」といった項目が設定されています。

観点別学習状況は3段階で評価され、筆者の子どもが通う小学校では「よくできる」「できる」「もう少し」の3段階になっています。

評定は観点別学習状況の評価をもとに、総括的にその科目を評価したものと述べましたが、学校によって3段階評価のところもあれば、5段階評価のところもあります。筆者の子どもが通っている小学校の場合、1、2年生には評定がなく、3、4年生は3段階、5年生は5段階で評価が行われました(今年、6年生になりましたが、おそらく6年生も5段階評価になるでしょう)。

相対評価から絶対評価に変わった理由

評定は3段階、あるいは5段階でつけられますが、かつては「相対評価」といって、クラス内での位置を示すかたちになっていました。相対評価の場合、5段階評価なら「5をつける子どもはクラスの中の上位〇%」といった具合に決められており、評定を見れば、子どもがクラスの中でどのあたりの成績なのかわかるようになっていたのです。

しかし現在は「絶対評価」とよばれる評価方法が採用されており、学習指導要領で定められた「ここまではできるようになってほしい」という目標に対し、どこまで到達できたかを基準に評定をつけています。たとえば、テストで100点満点中90点が取れた子どもは、みんな「5」がつくということです。

相対評価から絶対評価への転換が行われた背景には、2002年(平成14年)度から新学習指導要領が実施されたことがあります。この新学習指導要領において、「生きる力」=「基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせ、自ら学び自ら考える力」を育成することが重視されるようになり、知識偏重の教育を改める方向性が示されたのです。

これにより通知表の評定でも、子ども一人ひとりの進歩や目標に対する到達度を把握し、指導に活かすような評価方法が適していると判断され、絶対評価に改められたのです。

また新学習指導要領では習熟度別指導を重視しています。「習熟度別指導」とは、クラスの枠をはずし、理解度によって子どもをいくつかのグループに分けて授業を行う形態です。筆者の子どもが通う小学校でも、国語や算数は習熟度別指導が取り入れられています。こうしたことも、クラス内での順位ではなく、子ども一人ひとりの到達度を評価することが適している要因になっていると思われます。

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